内容説明
「あたしは、女の子!」。十六歳の清順の部屋で突然、ビー玉が喋り出した。幼い頃から好きだった清順。ビー玉はうれしくて、高校にもついていく。でも、教室の彼は退屈そう。アルバイト先の女の子に会う時は心が浮き立つのに―。気難しい男の子とまっすぐなビー玉の女の子が織りなす、青春の恋と戸惑い。大切な時間が詰まった胸が高鳴る高校生小説。
著者等紹介
山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
1978年福岡県北九州市生まれ。会社員をしながら書いた「人のセックスを笑うな」が第41回文藝賞を受賞し、2004年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mayu
76
あたしはビー玉。比喩じゃない。無機物だから心がないなんて言わないで。ビー玉の女の子だって人間の男の子に恋をする。そして、このビー玉がとんでもなくキュートなのだ。誰かに恋をすること。好きな人の前では可愛らしくいたい。わがままを言って嫌われたくない。好きになってくれなくてもいいからそばにいたい。でも、本当はあたしだけを見てほしい。キラキラの美しさと燃えるような気持ちに気づいてほしい。ラストは驚いたけど、これはこれで幸せなんだよね、きっと。2020/11/28
優希
61
可愛くてふわふわした物語でした。出てくる人たちが皆あたたかい。主人公が比喩ではなく、まさしくビー玉なのですが、すんなり受け止めてしまいます。可愛らしさもあって、女子が好みそうな物語だと思いました。自分も物語に引き込まれ、好きだなと。2020/07/20
優希
43
再読です。キラキラした青春に癒されました。タイトルのビー玉は比喩ではなく、本物のビー玉。ビー玉目線で進む物語はファンタジーではなく、真っ直ぐな女の子が体験するような恋と戸惑い。素敵です。2022/04/04
coco夏ko10角
25
語り手はビー玉の女の子16歳。ビー玉の持ち主・清純と学校に行ったりバイトに行ったり…。ビー玉が見てる世界、清純への恋心、ウルトラキュート!キュート小説だった。ラストにはびっくりしたけど、そうだよね、それでもいいんだよね…。「こういう話は最後そういうもの」という考えを見事に壊してくれた。2019/03/20
にゃんこ
21
初山崎ナオコーラさん♬ このタイトルを見て、何かの比喩だと思ってましたー(笑) でも、本当に「あたし」は「ビー玉」なんです! そしてそして、そのビー玉ちゃんがもうもう、めちゃくちゃ可愛い♡ ビー玉が好きになった清順(せいじゅん)も、可愛いと思う。 自分の通う高校にビー玉を連れて行って、ビー玉にせがまれるまま、紙で机と椅子を作り、そこにビー玉を座らせるなんて! 全体的にファンタジー要素満載だし、実際、分類的にはファンタジーなんだろうけど、私的には「甘酸っぱい恋物語」がピッタリな気がします(*^^*)2013/08/30