内容説明
うづと太郎吉の祝言で、無事に仲人を務めた小籐次は水戸へ旅立った。だが、案内役の水戸藩小姓頭・太田静太郎と合流するや、街道筋で藩主の状箱が盗まれたことを耳にする。葵の御紋が入った状箱は権威の証。その強奪は何を意味するのか―。図らずも、老中の密偵・おしんと行き合った小籐次は、予期せぬ事態を知らされる。破邪顕正の第十九弾。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。日本大学芸術学部卒。『闘牛』でデビュー。99年に時代小説『密命―見参!寒月霞斬り』を発表するや、迫力のある殺陣と人情味溢れる物語で読者の圧倒的支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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文庫フリーク@灯れ松明の火
61
『御鑓拝借』後、小舟を使って、刃物の研ぎ屋として生計を立てようとした小籐次に、商いの指南をした平井村の野菜売り・うづ。2巻で登場したうづが19巻にしてめでたく祝言。同じく2巻『意地に候』で暴漢に襲われた水野監物の奥女中にして、小籐次憧れの女性・おりょうを救い、別れ際「おりょう様、そなた様の為に、この命いつなん時なりともお捨て申す。まさかの場合はお知らせあれ」と早口で囁いている。今や実質、妻となったおりょうと付き人のあい、駿太郎・長屋のお夕を伴っての水戸行き。お正月に竹中直人さん主演でのドラマ『御鑓拝借』→2013/04/15
雅
57
完結編らしくキレイにまとまってた感。小藤次さん、相変わらず強すぎ。新シリーズはどんな感じになるのかな?2020/10/22
TakaUP48
45
小籐次とおりょうの仲人で、うづ・太郎吉の祝言が無事に終える。お夕、あいを含めて5人の一行と太田静太郎と女乗り物がつき、水戸行き道中が始まった。途中、水戸藩の状箱を奪われる件が続発。宿の空きを探し、小籐次が一行を離れた隙に、おりょう・駿太郎が誘拐される。老中青山忠裕の女密偵おしん等一団の手助けを受け、無事奪還!ホッとする。水戸藩と小籐次の仲を嫉妬した某藩主の意を汲んだ大店店主の愚策だったようだが、それを読んだ小籐次・おしんの働きで、日の目を見ずに闇にて処理。今回も、皆なの顔を立てる苦心の解決策でした!2021/06/13
藤枝梅安
43
かねてより水戸藩に招かれていた小籐次はうづと太郎吉の祝言を無事に済ませた後、水戸に向けて出立する。駿太郎の他に、あい、お夕を伴う道中に早くも事件が起こり、慌ただしい水戸行となる。水戸についてからも休む暇のない小籐次の活躍。本気を出した時の小籐次の強さと北村おりょうの悠然とした美しさが周囲を驚かせる。本家に修業に出されている国三の変貌ぶり。駿太郎の成長を複雑な気持ちで見守る小籐次の眼差しが印象的。ま、いつものパターンだが、こっちもそれを承知で読んでいる。水戸黄門シリーズの文庫版だと思えばそれでよし。2013/02/27
calaf
19
祝言の仲人をし、急ぎ水戸へ。道中揉め事にあいながらも無事に解決。そして水戸では国三が・・・忙しい人だ。で、帰りには成田に寄るのか???2015/03/14