内容説明
21世紀の建設業界を力強くリードする会社を目指し、前田建設内に設置された「ファンタジー営業部」。かつてアニメに描かれた科学は今や空想ではない!実在の大手ゼネコンが、「マジンガーZ地下格納庫一式工事」に真剣に取り組みました。予算72億円、工期6年5ヵ月(ただし機械獣の襲撃期間を除く)で引き受けます。第36回星雲賞(ノンフィクション部門)受賞。
目次
プロローグ 架空の建造物を思い描いた、すべての方々へ
1 ファンタジー営業部颯爽登場
2 汚水処理場の夕陽に咲くマジンガー
3 兜博士の遺産
4 グシオスβ3の歌が聞こえる
5 立坑の掘り方教えます
6 掘削法面は立っているか
7 水槽300tの水圧
8 ジャッキアップ超特急
9 積算はいかが
10 ファイルProject01を提出せよ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
54
実在のゼネコンが、「マジンガーZ格納庫」を実際に造る場合の施工検討と建設費見積を本一冊を使って詳細に検討している。簡略化されてはいて、法規や行政対応がマルっと抜けてるけど、まあ、マジンガーZだしなぁ。マジンガーZ格納庫を造るということは、日本が悪の組織との戦いの最前線になるということで、行政がそれでも確認申請を通すのかって、それだけで半沢みたいな社会派ドラマが1本できちゃう気もする。ちなみに、72億だって。、、、安いな。前澤あたりがポンと出してくれないかなぁ。こっちのが月旅行より夢があると思うんだけど。2023/11/11
PEN-F
41
無謀と思われる挑戦だって、とりあえず一歩踏み出すことで道が開けることもある。 .....子供のときって、マジンガーZの超合金で遊んでいるとロケットパンチを必ず失くすよね(T ^ T)。2021/01/08
竹園和明
37
スーパーゼネコン5社に次ぐクラスの大手ゼネコン前田建設工業が、“ゼネコン”の暗いイメージ払拭のために作ったファンタジー営業部。これ実話です。その初仕事は、あのマジンガーZの地下格納庫建設工事の試算!。それまでダムやトンネルの工事に従事していた精鋭4人が関係部署の協力を仰ぎ、掘削の工法検討からはじまり最後の積算まで、大まじめにやってます。様々な工法の経験則がある大手だけに、建築営業の自分にはとても勉強になりました!😄。結局、総工費72億、工期6年半でマジンガーZ地下格納庫は作れます!どなたかご下命を!2021/07/10
ピップ
25
マジンガーZの格納庫を前田建設が受注するシミュレーションの話。架空の建造物を、実在の会社が受注して見積もる、という発想がとてもおもしかった。ただ…マジンガーZの世代ではないので、思い入れが無い分、そこまで夢中になれなかった。専門用語、注釈が多いのも、物語を楽しみたい観点からすれば少し邪魔かなぁ^^; でも、土木は国の石末、建設会社の技術力の高さは理解できたし、こういうしょうもないことにまじめに取り組んでる前田建設には賛辞を送りたい。2020/04/08
ゆずぽん
25
前田建設に新しくできたファンタジー営業部、最初の仕事はマジンガーZの格納庫、さてどうなりますか・・めちゃめちゃ面白かったぁ ちょっとしたところがツボで(リフトを横にスライドさせる操作レバーがコンロのツマミみたいでちゃちい・マジンガーZをそのまま建設機械として使ったら)クスクス笑いながら読了。当たり前だけれど、いろんなエキスパートがいらっしゃって、Q&Aが速い!前田建設恐るべし(笑)そして、今は格納庫作れるっていうのが凄いなぁ。銀河鉄道999も読みたいし、映画もみたい!!2020/02/19