内容説明
少女漫画『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する“青い六人会”。噂話と妄想を楽しむ中年女性たちだったが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件―。辛い現実から目を背け、ヒロインを夢見る彼女たち。その熱狂が加速する時、新たな犠牲者が…。殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。
著者等紹介
真梨幸子[マリユキコ]
1964年宮崎県生まれ。「孤虫症」で第32回メフィスト賞を受賞しデビュー。人間心理、とりわけ女性の暗部を独特の筆致で書き上げる作風が話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
556
イヤミスらしいイヤミス。ミレーユの章がイチオシで、彼女と母親の共依存ぶりがじわじわと気持ち悪い。ああいう金銭感覚の緩さは割と身につまされたりもする。エミリーの存在もモヤモヤを残したまま終わっていて後を引く感じが好き。作品の仕掛けは、序盤で、アレ?と一瞬思ったが、深く追及せずに読み進めたので楽しむ事が出来た。古本で購入して予備知識無しで読んだから良かったものの、新作で買って帯の煽り文句なんかを目にしていたら気づいたかもしれない。こういう本は上手に宣伝して欲しいものだと、関係ない事を思ってみたり。2017/07/15
こうじ
182
⭐️⭐️⭐️⭐️4/5 面白かった(*^_^*)イヤミス健在だね^_^更年期少女なかなかですね〜^_^女性世界での裏表は怖いですね〜^_^気を付けないといけないなぁ(笑)2016/06/25
ノンケ女医長
161
「イヤミス」とは、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のことらしい。真梨幸子作品で、個人的にトップ3に挙げたい今作。48歳の酒井稲子(ミレーユ)の言動に、「どうしてこうなってしまったんだろう」という気持ちを抑えられない。母親との衝突は、もう虐待案件だ。振り回され続けた9歳年下の弟、11歳年下の妹が気の毒としか言えない。稲子の母親は、娘の身勝手さ、虚言壁に振り回されても、とことん将来を案じる。体がどんどんやせ細り、キヨの命が終わるときまで。登場人物の誰も、幸せな結末に至りそうにもないという、イヤミス真骨頂。2023/03/17
ゆこ
116
真梨作品に登場する女は……本当に嫌な女ばかり。しかも、どれも実在しそうだから余計に嫌だ。どこを見ても女の、というか人間のドロドロだらけだ。読中ずっと気分が悪かった。でも、読む手が止まらない。止められない。だって、真梨ワールド全開だから(笑)怖いもの見たさ、のようなものかな??割りと早い段階で1つのミスリードには気付いた。が、それでもうまく騙された。今回もドロドロ怖かった。女性ってなんで派閥にこだわるんでしょうね。あー……本当に怖かった。ああいう更年期だけは迎えたくない。後、夜に読むのはオススメしない(笑)2014/03/05
忠犬じろレポ
114
真梨劇場!全開!!今まで読んだ中ではイヤミス度No.1でした。読み始めは少し失敗したかな?って思いましたが凄い、酷い、惨い、辛い(^^;。登場人物の性格は誇張はされていますが、本来人の心に潜んでいるそのものですよね。真梨作品を読んで精神修行!(^^; 大分と免疫ができました。かな??2013/12/10