内容説明
バレリーナを夢見た幼い日、否定も肯定もできない沖縄の基地、勝手に持ち出したママの傘、愛することがすべてだった頃に出会った大切な人…。過ぎた時間の中で、なくしたものは二度と戻らない。しかしそれを「想う事」で明日へと繋がっていける。歌手として独自の存在感を放ち、絵本や小説などでも才能を発揮するCoccoによる写真エッセイ。
目次
Spinning Spring…4月
楽園…5月
6月23日、黙祷…6月
雨が降ったら…7月
藍に深し…8月
花から花へ…9月
明日へ…10月
ひめゆりの風…11月
A Song for You…12月
Human being…1月
愛してる…2月
夢ものがたり…3月
著者等紹介
Cocco[COCCO]
1977年沖縄県出身。歌手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
90
読友さんの影響で聴くようになったCocco。今では大好きなアーティストになりました。本書は才能多彩なCoccoによるフォトエッセイ。沖縄で撮影された美しい風景。その裏にあるのは、戦争で虐げられ、傷ついた悲しくて辛い沖縄の歴史。基地がある限り、癒えることがない傷跡。でも彼女は、諦めてない。歌うことで思いを届け、愛を届け、決して愛することをやめない。強く、しなやかに、生きていく。「基地のない沖縄を見てみたい」この思いは私も同じ。どうか一日も早く沖縄が基地という鎖から解放されますように。祈りを込めて。2017/05/24
じょり
17
僕は8月15日生まれだ。だからと言って戦争に対して、平和に対して深く考えたことはない。沖縄の基地の問題についてもニュースで聞くばかりで詳しくは知らない。この著書を読むことで、そこに住む人でしかわからない思いの一部を少しは知ることができたのではないかと思う。2014/01/10
ちゃこ
16
文庫で再読。この本を書いた頃のCoccoの年齢に近づきつつある。生きていくために、人間は鈍感になっていかざるを得ないんじゃないかと最近思う。人は深呼吸をするためにタバコを必要とするんじゃないかと考えていた頃がわたしにもあった。「20才を過ぎて煙草にあきた。でも夏の終りや冬のにおいには けむりが欲しくなった。ゆっくり息をするために煙草は必要であると想った。んなアホな。」2016/11/03
あけさと@ぷに
15
coccoのエッセイ。沖縄の美しい写真、悲しい歴史、彼女の生い立ち。胸が締め付けられる。2017/03/15
橘
14
文庫で再読しました。強くて弱くて、鮮やかで…Coccoさんの紡ぐ言葉が好きです。描かれる絵も素敵ですが、撮られる写真も素敵です。今を大切に生きていこうと思いました。2012/07/14