内容説明
お嬢様学校育ちの優子は、高校生になって同級生の富田君と大好きなパン屋巡りを始める。継母と暮らす優子と両親が離婚した富田君。二人はお互いへの淡い思い、家族への気持ちを深めていく。そんなある日、優子の前に思いがけない女性が現れ…。書き下ろし短編「はちみつ」も加えた、ささやかだけれど眩い青春の日々の物語。
著者等紹介
瀧羽麻子[タキワアサコ]
1981年兵庫県生まれ。2004年京都大学卒業。07年「うさぎパン」で第二回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょこまーぶる
455
温まる一冊でした。表題の「うさぎパン」は、それぞれの家庭の事情を抱えている高校生がパンを仲介して出会って大人に向かう準備をしていく姿が、何とも微笑ましく描かれていて、読んでいてほっこりして二人に逢ってみたい想いにかられる話でした。そして、もう一遍の「はちみつ」は、大人になり立ての女性の失恋の痛手を優しく見守る大人の話で、特別なアプローチではなく、ただ時間を共有するだけが最大のアプローチと言う事を教えてくれる話でした。で、歳外も無く「はちみつ」に登場する吉田助教授のような存在に憧れを抱くに至ったのです。2014/06/13
にいにい
415
初瀧羽麻子さん、素敵で、興味深い作家さんに出逢えた。短いのに、深い。「うさぎパン」のゆうこの父親は、どうかと思うけど、他の登場人物は、幽霊も含め、いい~。美和ちゃんが特に、瀧羽さんの他の作品も探して読もっうっと!パンが食べたくなるのは、勿論!なんか、優しくなれる一冊。2017/02/23
kishikan
348
軽いなぁ~、とっても。と言っても別に悪い意味じゃないんですよ。学校生活に、仕事に、生活に疲れちゃった時に、この本読むと良いと思いますよ。そう重松さんの「ビタミンF」ですよね。真夜中のパン屋さんのように、パンがむしょうに食べたくなるってほどじゃないんですが、最後にでてくる富田君の作ったウサギパンがとてもいじらしく「ほっ」とします。書下ろしの第2話「はちみつ」も食べるがキーワード。美和さんやパン屋のアトリエなど、第1話とも物語はクロスしているからそちらも楽しい。桐子さんと吉田先生との関係がうまくいくと良いね。2012/05/03
さてさて
335
『始まりは、パンだった』。『パン好き』であることを共通項に関わり合いを深めていく主人公の優子とクラスメイトの富田くんの姿が微笑ましく描かれていくこの作品。そこには穏やかな雰囲気感の中に描かれる一人の女子高生の日常をどこまでも優しく描く物語がありました。優子という女の子にどんどん知り合いになっていくかのような感覚で読めるこの作品。〈うさぎパン〉と〈はちみつ〉、雰囲気感を共にする二つの短編が紡ぎ出してくれる独特な雰囲気にどっぷり浸る物語。幅広い年代の読者に幸せな読書の時間を提供してくれる素晴らしい作品でした。2024/12/21
マコポン
306
ほんわかとした気持ちになれる本です。パンがとてもおいしそうで食べたくなります。「うさぎパン」とそのスピンオフ作品の「はちみつ」の2編ですが、どちらも続きが気になります。どうなっていくのかな(# ̄ー ̄#)2013/12/19




