内容説明
豊後森藩下屋敷の厩番・赤目小籐次は、大酒会で一斗五升の酒をあおって藩主・久留島通嘉の参勤下番の見送りを欠き、奉公を解かれる。だが、そこには小籐次のある目論見があった。江戸城中で他藩主から辱めを受けたことを通嘉から聞かされ、脱藩して意趣返しをする決意を固めていたのである。大名行列の襲撃―。小籐次の孤独な闘いが始まった。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。日本大学芸術学部卒。『闘牛』でデビュー。98年に時代小説『密命―見参!寒月霞斬り』を発表するや、迫力のある殺陣と人情味溢れる物語で読者の圧倒的支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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二分五厘
20
居眠り磐音シリーズも尽きてきたので他のシリーズも、と思い手を出したんだけど、のっけから主人公のタイプが全く違うなぁ(笑)磐音が″涼やかな面差しの偉丈夫の青年剣士″であったのに、この赤目小藤次は″矮軀で大顔に大きなパーツが散りばめられた五十手前″と散々。おまけに酒かっくらってやらかし、豊後森藩下屋敷厩番の任も解かれるという書き出し。だがそこには、来島水軍流の剣腕で果たさねばならぬ秘めたる想いがあった。傷を負いながらも孤独な戦いを続ける小藤次の執念と忠義。磐音とはまた違う格好良さを感じさせる主人公です。2023/09/03
ichi
18
【図書館本】第1巻を読んでしまったので、全巻を読破しなければ…。佐伯先生のシリーズ本はやはりどれも面白いです。珍しく見た目もイマイチなおじさま浪人が主人公でありますが、やはりとても強い!読んでてスカッとします。『居眠り磐音』と被る部分もありますが、浪人の立場となっても藩主から陰ながら信頼されており、この先どう展開していくのか?楽しみです。2016/10/22
kinupon
11
流れるようなスピード感があり、楽しめました。まだまだ話としては長いのでゆっくり読んでみようかと思います。2014/03/04
オレンジ。
9
男性作家ということもあり、気乗りがしなかったが面白い!主人公の小籐次に華はないが来島水軍流の遣い手で滅法強い。最近、繋ぎに読んでいたシリーズものの主人公が弱い。後を付けてもいつも見破られてやられる。肝心な時には強いがそれではダメ。読んでいてイライラ(笑)やはり強くなければ。。。元・主君の為に一命を投げ出した小籐次に、一巻目から情が湧いた。このシリーズものは面白そうだ。2014/12/20
kazu@十五夜読書会
5
酔いどれ小籐次留書シリーズ一巻。『たったひとりで大名行列を襲撃する剣豪』背が低く風采の上がらない中年の下屋敷の厩番・赤目小籐次は、恩のある自分の主君が辱めを受けたことを聞き意趣返しを決意。大酒飲みで失態を犯し豊後九重藩から奉公を解かれた。その後、小籐次は単身で四家の参勤交代の行列を襲い、槍持ちの御鑓を奪う。小籐次は、亡き父から秘伝の一子相伝の来島水軍流の秘剣を授けられていた。主人公が風采の上がらない中年で佐伯さんのシリーズでは異色、つい応援に力が入りますよ。ドラマ化の竹中直人さんはイメージがピッタリ。