内容説明
市営プールで見知らぬ女に声をかけられた。昔、同じ団地の役員だったという。気を許した隙、三歳の娘が誘拐された。茫然とする私に六年生の長男が「心当たりがある」と言う(表題作)。頻繁に訪れる老女の恐怖(「隣人」)、暇を持て余す主婦四人組の蠱惑(「団地妻」)等、団地のダークな人間関係を鮮やかに描いた十の傑作ミステリ。
著者等紹介
永嶋恵美[ナガシマエミ]
1964年福岡県生まれ。広島大学文学部哲学科卒。2000年、『せん‐さく』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
68
《購入》読メで知った一冊。後味悪〜いお話の短編集。この後味の悪さがいい!最後の迷子の終わり方も悪くないけど、最後まで嫌〜な気分で終わってほしかったな、とも思う。2016/01/07
milk tea
45
団地で繰り広げられる様々な人間模様。閉鎖的な雰囲気が漂い、女性ならではのイヤな部分をうまく引き出した短編集。「妹」、なかなか強かな子供たち。執拗につきまとうおばあちゃんの「隣人」。ほんわかして切なくもある「花笑み」…。2017/09/07
亜希
41
団地を舞台にした10編の短編集。短編好き、かつ団地出身の身としてはかなり楽しみにしていたのですが、1編ずつが思っていたより短いゆえかどれも小粒な印象。面白いし読みやすいしオチもしっかりあるけれど、最後に二転三転する話がこうも続くと置いてきぼりにされた気分になる。特にこれ!といった心に残る1編もありませんでした。ちなみに内容は確かにダークですが、ホラー嫌いの私でもサクサク読めるくらいなので怖くはありません。最後の「迷子」はいまいち面白さがわからないけど、多分ほのぼの系。2016/11/13
はらぺこ
37
想像してたよりマイルドやった。取りようによってはエロい話があったので、イヤな話が薄まったのかもしれない。2017/08/07
優花 🍯モグモグ
37
短編なのでサクサクと読めました。団地という狭い中での人間関係....。きっと、何処かで起こっていてもおかしくない話だと思いました。そして、人間の嫌な部分を見せられた感じです。読んでいてゾクッしたけれど、最後の話『迷子』の話で、少しだけホッとしました。2013/02/18