幻冬舎文庫
37日間漂流船長―あきらめたから、生きられた

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  • サイズ 文庫判/ページ数 212p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784344415416
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0195

内容説明

武智三繁、50歳、漁師。7月のある日、いつものように小さな漁船で一人、長崎を出港。エンジントラブルに遭遇するが、明日になればなんとかなるとやり過ごす。そのうち携帯電話は圏外となり、食料も水も尽き、聴きつないだ演歌テープも止まった。太平洋のど真ん中で死にかけた男の身に起きた奇跡とは?現代を生き抜くヒントが詰まった一冊。

目次

プロローグ 水平線までの距離―2001年8月中旬太平洋上のどこか
第1章 携帯電話―2001年7月20日午前4時から7月26日頃まで
第2章 キーホルダーのルアー―7月26日頃から8月4日頃まで
第3章 ヤカン蒸留器―8月4日頃から8月19日頃まで
第4章 台風―8月19日頃から8月23日頃まで
第5章 太平洋の星―8月23日頃から8月26日まで
第6章 第二十一末広丸―8月26日
エピローグ 崎戸―2001年9月某日

著者等紹介

石川拓治[イシカワタクジ]
1961年茨城県水戸市生まれ、ノンフィクションライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

42
もともと楽天的な性格なのか、傍から見れば悲惨で危険な状況なのに、本人は自然体で、それほどの悲壮感をもっていない。それでいて生きることに対して投げやりでもなく、いずれ訪れるであろう死を受け入れる覚悟をもつ。食べるものも水もない、無いものはない。やるべきことを諦めていく過程で、ジタバタせずに流されていく。まさに悟りを開いた修験者のようだ。西村賢太著『やまいだれの歌』の一節〈流れていくうちにはいつか摑まる枝もあろうし、浮かぶ瀬だってある〉を思い出した。希望と情けの雨は台風でさえ降らず、その恐ろしさが身に染みた。2025/01/17

はち

8
本当に何もない、あきらめていく漂流記。しかし、あきらめる=あきらかに見ること。あり得ないくらい厳しい中で生き残るにはその見極めが必要か。重たいネタなのにこの人の作品は何故か軽快さがある。不思議な作品。2011/08/08

いっちょめ

4
この出来事覚えてる。衰弱してるって演技しなきゃって笑いますね。でも死の寸前までいったからこそ感じることがある、成長することがあるのですね。2016/05/14

pom

4
死の一歩手前の状態だったのに、マグロ漁船の人たちに「仕事の邪魔しちゃったなあ。申し訳ないなあ」と思う老船長。明日は我が身と救難艇が来るまでずっとそばで見守ってくれる若い船長。海の男たちのやりとりに電車の中で泣きそうになった。2011/11/30

茶々太郎

4
タイトル通りのノンフィクション。50歳の漁師が漂流の末に救出されるまでを描いているが、事件が21世紀の話である事に、まず驚愕。海は永遠に怖いのだ。続いて、巻末に添えられた一枚の地図。そこに示された救出地点は、信じ難く遠い。久々に説得力のある本だったかも。2011/04/25

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