内容説明
「じゃ、ここで浣腸して」。純白のランボルギーニに乗ってきた初めての客は、助手席のすみれに言った。額に脂汗を浮かべて悶絶する彼女を乗せたまま、ランボルギーニは爆音をあげ首都高を走る。630万円の借金返済のため、SMクラブで働く彼女に襲いかかる、狂おしくも愛しい変態男たちとの日々を赤裸々に綴った実録コメディ。
目次
01 おむつ浣腸男
02 しゃもじ男
03 まんだら麻縄男
04 キツネ目男
05 金返せ男
06 おかっぱ女装男
07 現役東大男
08 泥酔金持ち男
09 これが、私
著者等紹介
泉美木蘭[イズミモクレン]
1977年三重県生まれ。作家、ライター、一児の母。二十三歳の時、都内のデザイン企画会社に就職するも、三ヶ月で倒産、失業。その後イベント企画会社を起業したが、倒産。二十六歳でホームページ「オンナ部」を開設、物書きとして活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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村山トカレフ
5
某芸人さんとの泥沼離婚が一時話題になったが、今ではゴー宣道場には欠かせない論客になった泉さん(ひろゆきにはボコられていたがw)。地頭がよくて行動力のある人間はいつまでもクサらない。必ず這い上がってくるもんだなあ。本作はハードでヘヴェィな波乱万丈の自身の過去を、赤裸々に語る内容でなかなかに読ませる。風俗嬢、しかもSMのMのほうを担当(?)していた時代を陰惨ではなく、ポップにあるいは可笑しみを前面に出して文字にしており、悲壮感がなくて実におもしろい。解説の松尾スズキ氏の文章も作品の厚みを増す一助になっている。2022/08/29
らむり
4
★★★★☆
fukumasagami
4
「あたしの人生、袋とじ」と少々意味不明な腰帯コピーが付いている本書は借金に困った著者がSM嬢で働いた体験記。志を曲げまいとする心根とくじけそうになる自分との葛藤が共感できて、主人公の生き様に素直に拍手を送りたい。それにしても文章うまい。次回作も期待。2010/08/28
takachan
1
やはり実体験に基づいた物語は面白いね。2012/11/10
Yusuke Masuda
0
顧客は殆ど成功者である。女をしばいて喜んでいるのではない。どうしようもなく埋めきれない空っぽを埋める相方が必要なのだが、それは自分が社会的に係りのある人間、つまり自分が責任を有する相手ではありえないのだ。自分の不安、失敗、はそのまま相手に不安や弱さとして伝わりかねないリーダーとしての責務がある。社会的に関係がありえない人間と普通でない形で自分をやっととらえている人達の空虚さが伝わり冷やりとした。