中公文庫<br> 東洋的近世

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中公文庫
東洋的近世

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122034457
  • NDC分類 220.04
  • Cコード C1122

内容説明

世界史理解の究極の鍵は東洋にあるのでは―一千年余の東洋の近世と西洋を比較、共通の要素、密接な交流を実証し、内藤湖南の宋代近世説を継承発展させた史論「東洋的近世」とその根拠となった論文、社会経済の観点から近世の特徴を論述した四篇を併載する完全版。“景気変動史観”を初めて公表した「宋詩概説」書評を付載。

目次

東洋的近世
中国近世における生業資本の貸借について
合本組織の発達―「中国近世における生業資本の貸借について」補遺
宋代以後の土地所有形体
明清時代の蘇州と軽工業の発達
『宋詩概説』(吉川幸次郎著)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hatann

5
世界史の体系にて、西洋と主として東洋を附属とする立場を根本的に改め、東洋と西洋を対等に置いて見比べるべきと気焔を吐く宮崎史観の作品。西洋近世が14世紀の文芸復興、宗教改革に始まり、18世紀の産業革命、政治革命を経て最近世となり先進したのに対し、東洋(中国)近世は西洋よりも早く宋代から始まったことを、政治・経済・社会・文化の各方面から示す(イスラム近世は更に早くから始まった)。西洋史と東洋史の相違は、西洋近世が僅かに数百年で終わって最近世史に飛躍したのに対し、東洋近世が千年近くも停滞していた点にあった。2024/11/03

デューク

3
「中国の文化は何といっても田舎文化である。それにもかかわらず田舎としては不相応な進歩を遂げたのは、文化を支持する量の威力である」。そう語る近世中国史の泰斗による、東洋における近世の形。 人類の歴史は、古代、中世、近世と時代が移っていく。だがその移行は同時に起こるわけではなく、東洋、西アジア、欧州と別々のタイミングで移行する。交通や交易を通じて、お互いが影響を与え合いながら進歩していく。一見バラバラに見える東洋内の出来事や、他の地域の出来事。それらを有機的に結びつける筆者の洞察には興奮を禁じ得ない。おすすめ2019/04/15

富士さん

1
再読。先生の宋ルネサンス説を軸にした中国社会史。本書の示す最も重要な近世中国の特徴は、国家が私的な所有物を離れて公のものとなって機関化し、土地の所有が人間関係への影響力から離れて数量的な収入源として把握されるようになり、人は個人として評価されるようになって分業が進展する、ということでしょう。これは社会の客観化、計量化であり、小手先の技術的優越性に止まらないオーパーツ的な先進社会です。この進み過ぎた社会こそ、その後の中国史の軛であって、人間社会の進化の意味を考える上でも極めて示唆的なものだと思います。2017/09/24

冬至楼均

0
西洋史的な古代・中世・近世と言う三分法を東洋に当てはめようと言う野心作。2014/04/25

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