内容説明
勘九郎から勘三郎へ。舞台に命を燃やす疾風怒涛の日々。
目次
さらば勘九郎―十八代目中村勘三郎襲名(役者の脚、役者の肚;平成中村座NY公演;同志;フルコースディナー ほか)
中村勘三郎、疾風怒涛(二〇〇七 NY席巻;中村勘三郎×ジェームズ・リプトン;二〇〇八 ドイツ見参)
著者等紹介
小松成美[コマツナルミ]
1962年横浜市生まれ。広告代理店勤務などを経て90年より執筆を開始。主題は多岐にわたり、人物ルポルタージュ、ノンフィクション、インタビュー等の作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
退院した雨巫女。
21
《私‐図書館》借りてきて1ヶ月、二回も延長しました。読みたいくせに、なかなか読めなかった。大好きな勘三郎さん。読んでいて涙こぼれそうになりました。お父さんや奥さんやお姉さんや子供たちどの話も素敵で。今は、大好きなお父さんと一緒なんだろうなあ。来世では、歌舞伎観に絶対行きます。2013/05/19
つねじろう
20
本当にたいした男だと思う。勘九郎から勘三郎に襲名するまでの時間と周辺の景色を描く。平成中村座、ニューヨーク公演、串田和美、野田秀樹との出逢い、勘三郎の語りで色彩から匂いまで活き活き蘇る。歌舞伎の古典は古典として大事にしながら歌舞伎は21世紀に生きる演劇だという固い信念を持ち、信念だけでなく実現する情熱と才能を持った稀有の存在だった。90歳まで生きたいと語っていた。彼の早過ぎる死は本当に本当に勿体無い事だった。一度浅草寺で見かけた、そのお辞儀の美しさに息を呑んだ。今は宝物にして大事に胸に仕舞っている。2013/01/06
佐島楓
19
やはり勘三郎さんはファンだけでなく歌舞伎の神様にも愛された方だったのだなといまさらのように確信した。とても惹きつけられる話題ばかりだった。今自分は何をやっているんだろうと自問がしばらくやめられなくなってしまった。こんなに渾身の力で駆け抜けていった人。それほどの情熱が、自分にはあるだろうか。答えは私自身にしか見つけられないだろう。2013/02/27
みちゃこ@灯れ松明の火
11
面白かった。この本に書かれている歌舞伎の演目を全て観たくなっちゃった。これは私の感想だけど、勘三郎さんの生活って物凄くスピリチュアルに近い生活しているんだなと思った。何事にも逃げてない、とにかく熱い人。いくつになってもやんちゃなところも面白い!。2010/11/10
あじさい
5
存命のうちに生で観劇したかったと思う。今まで歌舞伎に興味がなく、完全にスルーだった。が、著者の筆力のなせる技だろう。。取材内容の再現のされ方が、脚色というのではなく、その場の雰囲気まで含めてリアルにイメージできるものになっている。勘三郎の役者としての凄さ、著者のライターとしての凄さの見事なコラボ。歌舞伎はやたらと敷居が高いものという先入観が、触れる機会を逃していた要因だろう。しかし実は、歌舞伎自体が本来、大衆的・革新的であり荒々しいものだったようだ。勘三郎は理想的な守破離を実践してきた人だと思う。2015/08/30