内容説明
伝説のギャンブラーを追う雑誌編集者の加納涼子。その取材過程で出会った博奕打ちの森山道。数奇な運命を経て、封印したはずの過去が甦る。「ギャンブルってのは、堕ちるんだ。その堕ちていく自分が、また快感なんだがね」。飛び交う札束、悶える男女、そして、ある非業の死。道は過去の清算を祈り、最後の勝負に向かうが…。超弩級の傑作長篇。
著者等紹介
森巣博[モリスヒロシ]
1948年日本生まれ。オーストラリアを本拠地とし、世界中の賭場を攻める国際博奕打ち、兼業作家。94年度全豪牌九選手権者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よう
4
普通のしあわせ…そういうことはよく言われるが、“人は誰しも普通の地獄抱えながら、生きていたんだ”という描写には大いに頷けた。誰しもが地獄を抱えているってことは実感としてわかる。“それに気づかないふりをして生きているんだ”幸せがないとまではいわないが、地獄があるのもまた確実だと俺は思う。それにしても…読んだ人にしかわからないことだが六千万分の一の確率に当たるとは…。2015/03/15
naimon
4
現役博奕打ちが描く、コンゲーム(騙し合い)ではない、純粋なギャンブル・博奕(バカラ)の小説。現在の博奕と、昔の左翼と、ある意味激しい恋愛を混ぜた物語。胴元、控除率、横浜寿町、そして、バカラ。知っている者しか書けないその生々しさと冷たさを感じた。2009/12/06
別所 吠二郎
3
どこかで読んだような気が・・・。内ゲバとかあの辺を少しシンプルにすれば良かった気もするけどね、こういう事をいつまでも言っているのが「のすたるジジイ」のような気もするが違うんかな?2016/07/19
Keita Haga
3
さんふらわあ・だいせつの本棚に置いてあった。夢中でページをめくった。寺山修司みたいだった。ハマった。「疑おうと思えばいくらでも疑えてキリがない、キリがないけど、でも信じることが大切」というのは賭博に限らず人生で大切なことだと思う。2016/03/16
yasu7777
2
★★★☆☆ 練馬2981-3142021/07/31