内容説明
五山の送り火の二日後、菊太郎は姉小路大宮で襤褸をまとい、力なく歩く四十男を見かける。声をかけようか逡巡するが、後日、その男は腹に刀傷を負い、さらに痩せさらばえた姿で鯉屋に担ぎ込まれる。悔恨の情を募らせる菊太郎に伝えられた男の素性。そこには世にも哀れな真相が隠されていた…。人情時代小説の傑作シリーズ、待望の第十四集。
著者等紹介
澤田ふじ子[サワダフジコ]
1946年愛知県生まれ。愛知県立女子大学(現愛知県立大学)卒業。73年作家としてデビュー。「陸奥甲冑記」「寂野」で第三回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うさこ@タッタカタ
3
図書館:中断してましたが久しぶりに菊太郎はんに会いたくなりました。なんとなく京都の地図が頭に浮かぶので、以前より面白く読めました。2013/06/07
ベルるるる
2
「町式目九条」や「因果な井戸」とかを読むと、町の雰囲気を変えないための相続における工夫とか決まりがあって、とても興味深かった。こういうしばりがあった事で、今も古い町並みが残っているのだろうな。2014/09/29
kazu@十五夜読書会
2
ハードカバー読了済み(文庫もダブル登録で、共読本に反映させる)公事宿事件書留帳14巻。居候の菊太郎の活躍(剣舞?)少なくなったな。 ① 闇の掟 ② 木戸の椿 ③ 拷問蔵 ④ 奈落のみず ⑤ 背中の髑髏 ⑥ ひとでなし ⑦ にたり地蔵 ⑧ 恵比寿町火事 ⑨悪い棺 ⑩ 釈迦の女 ⑪ 無頼の絵師 ⑫ 比丘尼茶碗 ⑬ 雨女 ⑭ 世間の辻 ⑮ 女衒の供養 ⑯ 千本雨傘 ⑰ 遠い椿 ⑱ 奇妙な賽銭 ⑲ 血は欲の色 ⑳ 鴉浄土 2012/11/19
Akiko Nakano
1
ゆっくり、1冊ずつ読んでますー。いつの世でも人間の本質は変わらないのですねー。京都の町並みを、思い浮かべながら読んでます。2022/06/19
くぅ~ねる
1
今回は、実の親子よりも他人との絆の強さや市井の人情の濃さが顕著に表れている皮肉な話が多かった。「四座雑色」という組織に取り込まれていた人間の子孫が後々、被差別民とされ、長く苦悩する人生を歩まされてしまう事を知った。色々と勉強になる作品。2014/02/23
-
- 和書
- DVDでわかる!剣道入門