内容説明
総合娯楽施設建設という一大プロジェクトのために、危険な橋をも渡った千種だったが、経済不況のあおりで再起不能に近い打撃を受けてしまう。金の無心にくる千種には、かつて百子が愛した男の面影はもはやなかった。信じられるものが金しかなかった孤独な人間たち。人の抱える深い欲望の軌跡とその果てを描いた大巨編、慟哭の最終章。
著者等紹介
五味川純平[ゴミカワジュンペイ]
1916年満州生まれ。東京外国語学校英文科卒。55年自らの従軍体験を基にした小説『人間の条件』を発表し大ベストセラーとなる。78年菊池寛賞を受賞。95年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あらた
39
読了。予想通りに千種の転落で終わった。成り上がり者同士のラブストーリーということになると思うが、一つ一つのストーリーが平板で、この種の小説で期待されるような盛り上がりには欠けたと思わざるを得ない。2024/01/06
Yuka M
9
縫子で女中あがりの百子は、青年実業家の千種に出会い借金を申し込む。返済期限までにその金を返せなければ、自らの肉体を差し出すという…。女の武器を使いのし上がっていく、金と権力。男と女。様々なタイプの女の心理描写が細やかに書かれている。私はどのタイプに近いんだろう。2015/02/09
発起人
0
「金と女」あるいは「事業とエロス」-TBS系で連続ドラマ化2007/04/02