内容説明
虐待された過去を乗り越え、孤独や傷を抱えた人を見抜く不思議なパワーを身につけた犬ディロン。学校や施設を訪問しては、クラスになじめない少年や、辛い戦争体験をもつ老人に寄り添い、彼らに笑顔を取り戻させる。セラピー犬としてのディロンの成長と、飼い主・恵里との深い絆、周囲との心温まる触れ合いを描いた感動ノンフィクション。
目次
プロローグ ディロンの不思議な力
第1章 運命の犬と出会う
第2章 訪問活動を開始
第3章 犬とともに資格にチャレンジ
第4章 見捨てられた仲間を救え
第5章 セラピー犬への道
第6章 チームは一頭と四人
第7章 家族としての犬たち
著者等紹介
井上こみち[イノウエコミチ]
埼玉県生まれ。新聞の懸賞小説の入選作が出版されたのを機に作家としてデビュー。動物ノンフィクションを多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hanagon44
9
オーストラリア生まれで牧場でのびのび育ったディロン。訓練士の途中帰国で犬のイベント施設に取り残され,スタッフにひどい扱いを受けて心身ともに衰弱していたところを,驚くべき行動力で救い出した太田恵理さんと切り開いたセラピー犬への道のりが描かれています。出会った人によって天国と地獄ほどの差がある生き方になる犬たちが数多く登場し,改めて人の責任の重さを感じます。瀕死の元繁殖犬のリリー(盲目・白血病・フィラリア)の余命1か月を,犬も含めた家族みんなで大事にし4か月まで生かしたエピソードなど涙がとまりませんでした。2015/08/22
Yu。
8
人の心の内が読めてるかのように自分を必要としていると感じると、その人を無条件で受け止め、心の重荷を下ろしてくれる訪問犬ディロンと、優れた人格者であり、また 母親でもある飼い主恵里さんとの二人三脚描かれた実話。とてもとても感慨深い内容で、彼が以前に受けた心の傷から生まれた不思議な能力はもちろん、恵里さんの全身全霊を注いだ愛情、そして周りの心強いサポートと、“心”が全面に表れており、もう“ありがとうございました”の一言に尽きる一冊です。うぅ… 以前共に過ごした愛犬との想い出が溢れてきてます!… わん!2014/04/12
青葉麒麟
6
ディロンとアリス、同じ犬種なのに性格が真逆なのはとても不思議。人間から虐待されていたのに、信頼関係を結べば無償の愛情を捧げるディロンは偉いと思う。犬の躾にはしつける人間の努力が必要とはなんとも皮肉な話。2013/08/09
おうさま
4
ひょんなことから、ディロンと太田恵里さんにお会いできることいなったので、その前に予習。自分も犬は大好きだけれど、ここまで愛情を注いだり、資格にチャレンジしてみようという気持ちは持てないなぁ。ディロンも太田さんも凄い!2013/09/13
KAORU SUZUKI
3
オーストラリアから訓練士のポールと来日し犬のイベントで躾の実演などで活躍していたディロン。しかしながら、ポールが怪我で帰国。躾から調教と称して虐待されていたところを恵里さんが愛犬として保護。その後、病院や高齢者施設でセラピー犬として活躍。動物介在療法っておもしろいなと感じた一冊でした。2016/02/26