内容説明
「タツ。長いこと、巡礼の旅に出るんやってな」。入社4年目の新年会、社長直々の“GOサイン”によって、自転車世界一周の夢は現実になった。しかも無期限&有給休暇扱いで!意気揚々とアフリカに乗り込むも、マラリアと赤痢を併発…。果たして無事にゴールできるのか!?人も自然も味方につけて縦横無尽に世界を回る、爽快紀行エッセイ。
目次
1 アフリカ(村に泊まるということ。カトちゃんペッ!(セネガル)
忘れられない。タジンの味とブラヒム(モロッコ) ほか)
2 中近東‐ブータン(「トルコでは私たちがターツの両親だよ」(トルコ)
トカゲよ、どうしてお前は死の砂漠に生きるのだ?(イラン) ほか)
3 東南アジア‐北アメリカ(あっちからもこっちからも「サバイディー!!」(ラオス)
山岳民族の女性たち、えっ、前歯がない?(ベトナム) ほか)
4 南アメリカ(パタゴニアの風で羊がビュンビュン飛ぶ?(チリ/アルゼンチン)
南米大陸最南端、タラバガニの出迎え(チリ/アルゼンチン) ほか)
著者等紹介
坂本達[サカモトタツ]
1968年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社ミキハウスに入社。99年12月28日、「自転車世界一周」の旅から無事帰国。現在は人事部で勤務のかたわら、執筆、講演、「恩返しプロジェクト」などにいそしむ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミナコ@灯れ松明の火
18
自転車世界一周をする体力気力も4年3か月の有給を与えてしまう会社も、何もかも日常からは桁はずれなのに、最後まで読んで感じたのはとてもシンプルなことだった。人を癒すのは人であること、当たり前のことに感謝すること、まっとうであること。楽しいことばかりでもなくていい人ばかりでもないし、むしろキツイことの方が多くても頑張れるのはたまにこんな「とてもいい人」「とてもうれしいこと」があるからなんだなあ。世界一周してくれたこと、それを読ませていただけたことにも感謝。2011/05/20
遅筆堂
17
4年3ヶ月の有給休暇っていうのが面白い。でも、そういう恵まれ感や日本に戻ってきたりしているので、石田ゆうすけ著『行かずに死ねるか!』に比べると若干ワイルドさに欠けるかな。スタンスがやや違うような気がする。いや、凄いし、絶対に自分には出来ないことで尊敬はするのだが。面白いのは、両書に共通のチャリダーがでてくること。特にナベさん(セイジくん)の話は悲しい。2011/12/02
KAKAPO
10
自転車で世界一周なんて普通できない。4年3ヶ月の有給休暇をくれる会社なんて無いし…この本の中には、そんな旅をしたからこそ感じられたことが詰まっている。自転車乗りでない人にも読んでほしい。ラオス:日本にくられべれば、足らないものばかりなのに、ラオスの人たちはなんでも人にあげたがり「心が満たされているんだ」と思った。近代的な発展だけが幸せでない。アラスカ:厳しい環境では、人は助けあって生きる。人の厚意に甘えるということではなく自立が前提となる。でなければ、人を助けることはおろか、自分の命を守ることができない。2010/06/13
takeapple
9
『行かずに死ねるか』のあとに読んだから評価が低いのかも知れませんが、面白いです。すごい人はたくさんいるなあ。この人の『ほった。』も読んでみたいけれど、なかなか置いてある本屋さんがない。2009/03/01
つちのこ
3
4年3ヶ月の有給休暇を取って自転車で世界一周をした男の物語。筆者はミキハウスの社員だが、ポンと何年もの有給を与える会社もすごいが、それ以上に著者のグローバルな行動力、スケールに驚く。「世界を見てみたい」という情熱がひと漕ぎ、ひと漕ぎのペダルに伝わってくるのをひしひしと感じる。あぁ、私も若かったたらなぁ…、なんて思いながら読了した。(2006.4記)2006/04/24