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霊峰の頂上で神に救われると信じた少女・久坂優希と二人の少年は、下山途中優希の父を憑かれたように殺害する。十七年後、再会した三人を待つのは……。文学界を震撼させた大傑作、文庫化!
著者等紹介
天童荒太[テンドウアラタ]
1960年愛媛県生まれ。86年「白の家族」で野性時代新人賞、93年「孤独の歌声」で日本推理サスペンス大賞優秀作、96年「家族狩り」で山本周五郎賞、2000年「永遠の仔」で日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tengen
70
看護師の久坂優希、弁護士の長瀬笙一郎、警察官の有沢梁平は幼い頃に家族からの虐待を受け精神に障害をきたし施設に預けられていた。退院後はそれぞれの道を歩んでいたのだが17年経って再会してしまう。3人は人に言えないある共通の秘密を抱えていた。そしてその再会が胸の奥底に沈めていた暗部をあぶり出すことになる。2017/03/22
えみ
66
凄い!静に始まるのにもう今後の展開を期待して一文一文が熱く感じる。少年少女達の一挙手一投足から目が離せない。嘗て、彼らが戦っていたものは何だったのだろう。不穏な空気を漂わせながらも、その正体は見えない。何から救われたくて神に頼ったのだろうか…。はっきりとは分からないのに思い出の中から危険な香りだけが鮮やかに蘇って、読者を困惑と暴かれていくだろう最大級の秘密に期待を持たせる。17年ぶりに再会した3人には誰にも話せない霊山の石鎚山での出来事が胸の奥にあった。過去と現在を行き来しながら構成される最高のミステリ!2022/07/29
テル35
64
優れた小説に出会うと心が動き出します。自分の想いや生き方を、曲げたり隠したりしてはいけない。 作者の精神力の強さ、誠実さに感銘を受けます。2025/02/23
こばきよ
64
久しぶりに天童さん。リアルで、暗くさせられるテーマが多いイメージ。これは、5巻あるうちの1巻なので、まだ序章。小学生の頃の、秘密となった殺人という事件を共有する3人。そして、当時問題を抱えたいたであろう3人。現在と過去を行きつ、戻りつしながら話は進む。そして、3人は現在で再会する。現在と過去の間に3人のそれぞれの人生に何があったのか。さらに再会した3人に今後何が起きるのか、再会した意味は。次巻へ続く。2014/11/08
金吾
60
最初は話があちこちに飛んでいるように感じましたが、人間関係がわかり出したら話に引き込まれていきそうです。このあとの展開が楽しみです。2021/08/09