内容説明
大好きなイギリス、初舞台を踏んだオーストラリア、赤毛のアンのカナダなど外国での異文化体験。正月、節分、日本ならではの四季の喜び。誰にも言えなかった恋の話。能古島での父・檀一雄との別れ…。振り返るたびに顔が赤くなる、でもどこか切ない「出会いと別れ」の思い出をしっとりと、ユーモラスに描く好評エッセイ。
目次
第1章 イギリスはあやしで満ちている
第2章 オーストラリアでのあさましな初舞台
第3章 アフリカ、カナダ、旅はゆかし
第4章 日本の醍醐味はすずろなり
第5章 恋をしたら何もかもがあはれでをかし
第6章 父・檀一雄とのいとかなしな別れ
著者等紹介
檀ふみ[ダンフミ]
女優。東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。父は作家の檀一雄。高校在学中に映画デビュー。芸術選奨新人賞受賞。執筆活動も好評で「ああ言えばこう食う」(共著)で第一五回講談社エッセイ賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
72
だいたい全部面白かったけどイギリス編が一番興味深かった。さすが文章を紡ぐの上手い。2016/03/11
おいしゃん
43
やっぱりダンフミの文章はうまい。一冊読むと「意外にうまい」と驚き、二冊読むと「単なる自虐ネタ?」とも思うのだが、三冊以上読むと自虐しつつも品と抑揚のあるエッセイをかける人なのだと思えてきた。2018/12/10
奏市
16
大好きな檀さんのエッセイ。今回は全般に旅に関するものが多く、前半は大いに笑わかされ、後半はしみじみさせられた。著名人とのエピソードが興味深い。映画で度々寝るという著者が淀川長治さんに寝た経験ないか聞いた時「あんた、よく寝られるねぇ。私がそうなったら、もう自殺やね。」気に入ったものはさっと買う名取裕子さんと迷って結局買わない著者との対比も面白い。お父様に勧められて女優になられたのか。「父の死後にできる親孝行がたったひとつあるとしたら、それはやはり書くことだろうと思う。」ザルツブルクに太地に行ってみたいなぁ。2020/09/27
冬見
12
ああやっぱり檀ふみさんのエッセイ、好きだなあ。初めてふみさんの文章に触れたのは『父の縁側、私の書斎』で、もちろん彼女が檀一雄の娘であるということが頭にあって読み始めたけれど、軽やかに綴られるユーモア溢れた語りに、夢中で一気読みした記憶がある。今回は完全に、ふみさんの文章を読みたい一心で本書を手に取った。結果、期待を裏切らず、彼女の文章と人柄をもっと好きになった。ひとつのエピソードにつき5ページほどだが、どれもオチが効いていて小噺を聞いているかのよう。肩の力を抜いてゆったり楽しめる。他の作品もぜひ読みたい。2019/06/07
ほっそ
12
よくよく考えてみると、作者が学生だったころから、知っているんですねえ。あとがきは、寂聴先生でした。これも素晴らしかったですね。2010/09/29