出版社内容情報
今の輝きが、すべてじゃない。
過酷な医学部受験、その先にあるものとは――。
注目の作家が描く、ほろ苦い青春。
開業医の息子で、絶対に医者にならなければならない千浩。
真面目で努力家、あこがれの医者をまっすぐ目指す睦。
なんとなく周りに流されて医学部を目指している耕平。
タイプも様々な三人が出会ったのは、医学部受験専門の鳳緑予備校飯田橋校舎。浪人生として“人生のエアポケット”を過ごす彼らは、予備校の近くで行き会った救命救護をきっかけに距離を縮める。上がらない成績、親からのプレッシャー、大学生になった友人たち、挫折、葛藤、焦燥、諦念……。それでも前を向く三人の、よるべのない浪人生時代とその先を描いた傑作青春譚。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
68
医学部受験専門の予備校で出会った3人。絶対に医者にならなければならない開業医の息子・千浩、勤務医の娘で努力家の睦、何となく周りに流されて医学部を目指す耕平。ある日予備校近くで倒れた女性の救命救護をきっかけに距離を縮める3人。彼らの挫折・葛藤・焦燥、出会いから2年、彼らのこれからはどうなるのだろう?この先の3人をもっと見ていたいと思った。2026/06/12
えんちゃん
53
医学部を目指す浪人生男女3人の物語。人生には3つの坂がある。上り坂・下り坂・まさか。3人が過ごした2年間はまさにこの坂の繰り返しだなあと。良いこと悪いことを繰り返して徐々に大人になっていく。いっぱい失敗して、いっぱい経験して。そう、今が全てじゃない。3人が過ごした予備校の思い出は、それぞれきっと心の支えになるでしょう。とても良い青春物語なのですが、砂村さん独特の可笑しさは控えめかと思いました。2026/06/16
yuni
45
医学部受験を題材にしていましたが、受験結果をゴールにする物語とは違いました。予備校で出会った三人は、それぞれ異なる道を歩むけれど、決して誰かを勝ち組、負け組と決めつけない視点がよかったです。浪人生という居心地の悪い時間を共に過ごした仲間は、何年経ってもSOSを出せる「戦友」のような存在なんだね。「飛距離の長い青春」は受験だけで終わらず、その先を描いたことに意味があると感じました。生きていれば困難に直面することもあります。でも悩み苦しんだ日々は人としての深みになるんだよね。わりとリアルな青春小説でした。2026/06/18
nyanco
36
医学部専門予備校で出会った3人の話 開業医の両親の病院を継ぐ事がマストの千浩、成金の両親、御三家出身で何となく医学部を目指した耕平、勤務医の両親の期待を一身に受けている睦。 男2女1のこのバランス、色恋沙汰にならないこの関係性がとても良い。志望校のランクダウンで一浪で先抜けした真面目な紅一点睦は、キラキラの大学生デビューを果たす。二浪、次が最後と頑張る気弱な千浩。予備校を離脱、経済学部に入り、学生生活をエンジョイしていた耕平は、まさかの親の破産で急展開… →続2026/06/08
sayuri🍀
27
青春の甘さとほろ苦さが、繊細に描かれた作品だった。開業医の後継ぎ息子・千浩、医師に憧れる真面目女子・睦、ノリで医学部を目指す資産家の息子・耕平。三人が出会ったのは、医学部受験専門の鳳緑予備校だ。救命救護をきっかけに距離が縮まり、いつしかかけがえのない関係になっていく。大学に合格すると、抑えていたものが弾けたように性格が変わった睦に驚き、女性関係にだらしない耕平にうんざりしつつも、千浩だけは終始ぶれずに誠実で魅力的だった。失敗も挫折も含めて、彼らの青春はまだ始まったばかり。物語の着地は、きっとこの先にある。2026/05/17




