出版社内容情報
開けてごらん「旅の窓」を
感じてごらん「心の窓」で
私にとってカメラを持つことの最大の効用は、世界に「つまらない場所」というのが存在しなくなったことであるーー。ブッダガヤで出会った「瞳の少女」、ヘルシンキで胸を熱くした幼き兄妹の姿、夜のコルドバで心を騒がせた「路地裏の哀愁」……。沢木耕太郎が旅先で撮った八十一枚の写真と、その情景から想起する人生の機微を描いた短いエッセイ。大人気フォトエッセイ『旅の窓』、待望の続編。
内容説明
81篇の小さな物語。開けてごらん「旅の窓」を。感じてごらん「心の窓」で。大人気フォトエッセイ『旅の窓』、待望の続編。
著者等紹介
沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947年東京都生まれ。横浜国立大学卒業。79年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞、13年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞、23年『天路の旅人』で読売文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
180
沢木 耕太郎は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。フォトエッセイ『旅の窓』の続編、何気ないワンショット&エッセイ、旅情をそそられますが、今の超円安&世界的な物価高は何とかならないでしょうか❓ https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344042711/ 6月は、本書で読了です。2024/06/30
シナモン
109
切り撮られた旅先での一瞬と添えられたみずみずしいエッセイ。一枚一枚ページをめくるたびに違う国が現れて。沢木さんと世界を旅しているかのようでした。名所でなくても普通の生活のなかにキラリと輝く人生のひとコマ。視点を変えれば世界には「つまらない場所」なんてほんと存在しない。 💘私たち日本人には、稲が、食べるものとしてだけでなく、見るものとしても幸せをもたらしてくれるということを。2024/08/07
KAZOO
101
沢木さんが世界各地を旅しているときに、ある宣伝紙に連載されたカラフルな写真と短文をまとめたものの2冊目です。見開きに一つのエッセイが掲載されているので読みやすい気がします。取られた写真の対象は結構風景よりも人物(特に小さな子供)が多くやはり興味の対象がドキュメント作家であるということがわかります。2025/04/30
ふう
80
「旅の窓」と同じように、旅先で撮った写真と短いエッセイが見開きの中に収められています。写真は彩度がやゝおさえめ。ヨーロッパの観光地やハワイの海も映っていますが、明るさ華やかさは感じられず、文も静かで穏やかです。一人旅でないと見過ごしてしまいそうな風景や人々の営みが綴られています。パリの墓地で目にした秋の並木道、タイの仏像遺跡の前でひざまずく老女。遠くまで行かなくても、一人でゆっくり歩いていると、こんな風景に出会えるかもしれません。それでもやっぱり旅に出たい…と思いました。2024/09/05
ウッディ
58
ある時から旅に出る時は、カメラを持っていくようにしたという沢木耕太郎さん。旅先で出会った風景、人物とその時に感じたこと、想像した物語を綴ったフォトストーリーでした。オルセー美術館の大時計を通してみるパリの風景、ノルマンディ作戦のドイツ側戦死者の黒い墓など、異国ならでは想像を掻き立てられる風景写真に加えて、人物特に女性の写真がどれも魅力的で、おそらく二度と会うことのない人達だからこその切なさが感じられました。。深夜特急の頃の彼の心のフレームにはどんな写真があったのかと想像するのも楽しい一冊でした。2024/09/04