感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
171
書店で気になり読みました。延江 浩、初読です。”J”が、瀬戸内 寂聴だとは思いませんでした。Jの性愛後半生記、死ぬ間際まで女であったのでしょうか❓ 瀬戸内 寂聴の小説は未読のため、何時か読んでみたいと思います。 https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344041349/ 【読メエロ部】2023/07/25
Carlyuke
41
瀬戸内寂聴についての私小説ということで読み始めた。本人は, 小説家は死んだら読まれなくなる, 自分が死んでからも残るのは源氏物語の訳と何人かの女性革命家の評伝小説ということを言ったとか。宗教家をしながらも自由に生きたという印象を受けた。このような生き方をできる人はなかなかいないだろう。自分らしく生きることの一つの例のように感じた。2023/11/06
Natsuko
20
没後も話題になる寂聴さん。85歳にして40代男性との恋話、小説風ノンフィクション。 人の道を外れた行いを犯しつつ、出家して人の道を説く寂聴さんを好きになれるわけないはずなのに、その朗らかさとエネルギッシュさはやはり魅力的。とはいえ、本作の内容は、予想していたとはいえ性愛描写に走りすぎた印象。後半流し読み。2023/10/06
nonpono
16
台湾帰りの空の上で。好みの男を連れて歩き、着物や絹下着で着飾る、井上光晴に「美味しいものを食べさせる」場面が印象的です。得度したあとの黒髪の情念のうねりも。童のような無邪気さと奔放さも。亡きあとだから出せた物語だろうか。わたしも法話を、生の先生を見たかった。ツアーの募集広告は見ていたんだけど。また、書くことへの、生きることへの執着を感じる。男が食われちゃうですよね。飲み込まれちゃうみたいな底の果てしなさ。空の↑で初めての読んだ電子書籍。便利な時代を感じます。2023/11/29
rapo
10
タイトルは、名前は伏せているとはいえ、あからさまに誰なのかすぐわかるイニシャルでインパクトはある。出家してからの奉仕活動は誰もが知るところではあるが、生涯を追うのにここまで赤裸々に書く必要かあろうかと疑念が残る。作家として女性として、激動の人生を送った人、その生き方には賛否両論あるだろうし、どこに視点を置くかで違ってくるだろう。少なくともこの著書には彼女への尊厳は感じられなかったし、何を伝えたかったのかわからない。読後はただ、作家としての、女性としての業を一生背負った哀しみだけが残った。2023/11/24