出版社内容情報
私はこれから、
この世で最も恐ろしい罪を犯す。
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才を買われ、徳川家康の側室となった阿茶。
生涯たった一人の女性を、彼女は愛した。
最後まで信じたのは、禁じられた宗教――。
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時代小説の旗手渾身の傑作。
才気溢れる阿茶の、秘めた想いに迫る。
「一体どうすれば、天下が取れるのか」。美貌も有力な後ろ盾もない阿茶には、男を凌ぐ知恵があった。夫亡き後徳川家康の側室に収まり、その才を生かし織田・豊臣の天下を生き延びる。そんな彼女には、家康よりも息子よりも愛した人がいた。
阿茶の知られざる真実に迫る、傑作歴史小説。
内容説明
「一体どうすれば、天下が取れるのか」。美貌も有力な後ろ盾もない阿茶には、男を凌ぐ知恵があった。夫亡き後徳川家康の側室に収まり、その才を生かし織田・豊臣の天下を生き延びる。そんな彼女には、家康よりも息子よりも愛した人がいた。阿茶の知られざる真実に迫る、傑作歴史小説。
著者等紹介
村木嵐[ムラキラン]
1967年、京都市生まれ。京都大学法学部卒業。会社勤務を経て、95年より司馬遼太郎家の家事手伝いとなり、後に司馬夫人である福田みどり氏の個人秘書を務める。2010年、『マルガリータ』で第十七回松本清張賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sofia
36
家康の側室の一人、阿茶の話。たぶんフィクションもかなりあるのだろうが、阿茶を家康が頼りにし、戦にも同行し、ほかの女性が見ていない世界を見た賢い女性であったことは事実。一気読み。尾張の土地カンもあり、おもしろかった。2023/07/18
読書は人生を明るく照らす灯り
25
ちょっとボクには難しかったです。 歴史小説は人間関係図を作りながら読まないと、ボクには追いつけないでした 途中で離脱しちゃったので、また後年に読み直したい2022/08/29
香翠
25
戦国時代。武士、男性が表舞台で活躍した時代と思っていたけれど、その才覚を武器に生き抜いた阿茶。かの時代には、彼女のように目立って表に出ることはないものの、家を支えて、城を支えた才能のある女たちはたくさんいたのだろうなぁ。2022/08/11
あまね
21
これまでの阿茶のイメージは、権謀術数を駆使する怖い女性のイメージでした。こちらの作品では気の強さはイメージ通りですが、キリスト教への信仰心を心の支えとしている姿に驚き、どこまで史実かどうか分かりませんが、戦乱を生きる女性の葛藤と生き残るための欲望も信仰心を軸として考えるとおもしろく読めました。於愛の方は、まるでマリア様のよう。『風と共にさりぬ』のメラニーとも重なります。家康がキリスト教を理解して認めていたという設定は、驚きでした。2024/01/14
takaya
14
どこまでがフィクションでノンフィクションなのかわかりませんが、家康の側室として徳川家に入り、事実上の正室にまでなった阿茶の物語。早くなくなった、家康最愛の善良な側室、西郷局とは異なり、阿茶は人生の最後には大きな罪を犯す。徳川家のためを思って、そう生きなければならなかったのでしょう。2022/08/05