出版社内容情報
『ルパンの娘』で話題の著者最新刊は、犬犬犬犬犬だらけ。
毛だらけで身も心もあたたまるハートウォーミングミステリNOワン!
犬と歩けば、謎にあたる。
「頑張りすぎてませんか。犬だって嫌なことがあったら吠えますよ」
生き物って、生きてるって、あたたかいね。
なんでもない日常がワン!ダフル
内容説明
盲導犬訓練施設で働く歩美は、訓練士の研修生。たくさんのラブラドールレトリバーに囲まれて、一人前になるため勉強中。ある日、盲導犬と暮らす飼い主から「犬の様子がおかしい」と連絡を受け、犬と話せるという、美男子なのに謎多き先輩訓練士・阿久津と一緒に様子を見に行くことになるが…。お利口に職務を全うする盲導犬たちの姿を通して見えてくるのは、その飼い主、家族など人間たちの悩み、嘘、そして、罪。人生は本当に難しいけれど―。
著者等紹介
横関大[ヨコゼキダイ]
1975年静岡県生まれ。武蔵大学人文学部卒業。2010年「再会のタイムカプセル」で第56回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー(書籍化の際「再会」に改題)。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
343
横関 大は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。タイトルからペットショップもしくは動物病院の話かと思いきや、盲導犬訓練士探偵ライトミステリ連作短編集でした。オススメは、第三話の『時計の針』と第六話の『ランウェイ』です。次はシリーズ化で長編を期待しています。 https://www.gentosha.co.jp/book/b13548.html2021/03/18
修一朗
171
今どきは盲導犬になるのはラブラドル・レトリーバーかゴールデン・レトリーバーのどっちかなんだそう。ひとたびハーネスをつけて仕事モードになれば犬君たちは何時間でもじっとしていられるんだそう。うんちやおしっこはどうするんだろうか。一度関わった犬にはとことん付き合う阿久津君が,視覚障害者の事件を鮮やかに解決してみせるっていうライトミステリー。盲導犬訓練やパピーウォーカーについて興味津々だし次は盲導犬や視覚障碍者のお話がもっと盛り盛りでお願いしたい。ミステリー要素はほどほどでいいです。2021/03/31
モルク
160
盲導犬訓練施設の研修生歩美を主人公に、指導教官阿久津とのトラブルバスターズと命名されたコンビが盲導犬がらみの難問を解決していく6つの連作短編集。犬とは会話もでき心を開けるが人間には無愛想でつきあうことのできない「王子様」阿久津と天真爛漫の歩美がいいコンビを見せている。最終話でなぜ阿久津が他人に心を開けないのかがわかる。もう少し読んでいたくなる作品。歩美の超古いオヤジギャグ「よっこい庄一」「合点承知の助」もバッチグー👊2021/11/20
おしゃべりメガネ
147
さすが横関さん、タイトルの意味は違えどまさしくワンダフルな作品でした。盲導犬訓練士見習いの関西訛りのある「歩美」と優秀でありながら、かなり不思議な雰囲気のイケメン訓練士「阿久津」のコンビは、ちょっと謎めいたトラブルをあらゆる視点から解決していきます。優秀な盲導犬ならではの発想から書かれた連作集はミステリーとしても楽しめ、もちろん人間ドラマとしても十分楽しむコトができます。登場人物達が何気にリンクしたり、別の話でサラッと登場したりするのもさすがの演出ですね。盲導犬訓練の話もしっかりと勉強になる作品でした。2021/03/20
タイ子
138
盲導犬訓練施設で働くベテラン訓練士と女性研修生が主人公の連作短編集。超イケメン(誰を想像すればいいのやら)で犬と会話のできる謎の訓練士・阿久津。奈良から来た昭和のギャグとたまに出る関西弁が持ち味の歩美。この二人、事件と謎によく出会う。なので、センター長からはトラブルバスターズと名付けられ、盲導犬として働く犬たちが何らかの事件や困りごとがあれば駆けつける。阿久津の能力がいかんなく発揮され、謎を解いていく。盲導犬の存在がいかに人生に光を灯しているか。最終章で明かされる阿久津の過去とラストのシーンに思わず感涙。2021/06/06