内容説明
親友のコウキがマンションのベランダから飛び降りた。そして、僕は学校に行くのをやめた。そんなとき、新聞の記事で紹介されていた「空色ポスト」の存在を知る。新宿御苑にひっそりと設置されている、手紙ではなく写真を運ぶポストだ。このポストをきっかけに、僕は外の世界への一歩を踏み出すことになり…。現役大学生による衝撃のデビュー作。
著者等紹介
北川樹［キタガワイツキ］
１９９７年生まれ。早稲田大学文学部４年在学中。『ホームドアから離れてください』がデビュー作（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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みかん🍊
103
中学の柔道部でのしごき、いじめの部分は辛かった、それが原因で飛び降りたコウキ、学校へ行けなくなったダイスケ、真面目さ故に逃げる事が出来なかった二人、気付けなかった大人、青空ポストへ写真を投函すると誰かに届き、誰かの写真が届く、その記事に惹かれ写真を撮るために外へ出てポストへ投函しに行く、誰にも会いたくないから行きたくないのではなくコウキがいないから行きたくないないダイスケの気持ちは無神経な父親には伝わらない、得意な事や必要としてくれる場所、人それがあればなんとか生きてやっていける。2020/04/22
モモ
50
中学校で始めた柔道。柔道部に入部したが初心者ということで軽んじられ、陰湿ないじめに発展し事件が起こる。不登校になるまでの毎日がざらざらと心を削る。今さらながら、いじめる子が堂々と学校に通う姿は何だか悔しい。だけど不登校で家にこもっていた時間もきっと何かの必然と意味があるのだろうと読んでいて思った。新宿御苑にあるという写真を投函すると別の誰かの写真が送られて来る空色ポストも気になる。学校に居場所を見つけられない人に 、そっと寄り添ってくれる本。2020/06/14
おかだ
41
良い。おもしろいとか感動したとか、そういう言葉では言い表せないんだけど、しみじみと、良い。中学で柔道部に入った初心者二人組。強烈なしごきの日々。かわいがり？都合の良い言葉に反吐が出る。「強くなりたい」「絶対に辞めない」という前向きな努力でがんじがらめになっていく二人。そして決定的な出来事が…。親のスタンスが無能なように見えて地味に頑張ってたりもして、なんだか凄くリアルだった。私が親でもこうするなぁ、こうしかできないだろうなぁ…と。結局親目線で読んでしまう。少年が傷ついた心を癒す過程が丁寧に描かれていた。2020/12/18
あっちゃん
30
読み始めてすぐ、あ、コレいじめのやつ？と思ってテンション下がる（笑）陰湿ないじめ問題は苦手なので、でも、空色ポストを通じて自分を取り戻して行く再生物語は後味も良く、ホッとした(￣▽￣)2020/05/29
rosetta
27
★★✮☆☆中学から始めた柔道で先輩や経験者に敵わず部内で苛められるコウキとダイスケ。耐えかねてコウキが自殺未遂を起こし転校しダイスケは登校拒否になる。カメラが趣味の父親が撮ってくれた小一の時の写真を見つけ興味を持つ。新宿御苑の中に空色のポストがあり投函した写真を匿名で他の投函者に届けてくれる(こんな話あったな)カメラを通じ出会った女子高生や家庭教師の大学生に救われ少しづつ自分を取り戻す。この年頃では些細な傷が人生を深く蝕むものだ。優しかった先輩が態度を変えたのも。誰かに責任の問えることではない。最後は救い2020/07/07
