内容説明
義父に強姦された夜、彼女は地獄で生きる覚悟をした。孤高の建築家マリアの光と影を描く傑作サスペンス!!第15回坊っちゃん文学賞小説部門大賞受賞作品「ルカの麒麟」を同時収録。
著者等紹介
鈴川紗以[スズカワサイ]
京都大学文学部卒。マッキンゼー&カンパニーのアナリスト、代々木ゼミナールの英語講師を経て、2008年から評論系の著述家に。小説の創作は2015年元旦に開始。「ルカの麒麟」で第十五回「坊っちゃん文学賞」小説部門の大賞を受賞し、作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さっこ
67
建築家のマリアは義父にレイプされた過去がある。その夜から地獄で生きていく決意をしたマリアは、孤高の建築家としての光と闇の中にいる。舞台も日本ではなくカトリックを題材としていてあまりピンと来なかった。文体も翻訳物かと思わされるような読みづらさがあり、いろいろと私には合いませんでした。表題作と「ルカの麒麟」の2作品収録でした。2021/06/20
まつじん
14
初めて読む作者さん。ポルトガルの建築家の話で結構新鮮さが味わえた。しっかりミステリしてますよ、佳作というやつかな。ムッチャ面白いと人に薦める程ではないかも。2020/02/16
ぴんく
11
名前くらいしか知らない国が舞台、ほぼ縁も知識もないカトリック教がバックボーン、登場人物が当然外国人で、苦手かもと思いながら読み始めましたが、結果的には真逆。爆速で読破しました。翻訳モノみたいに不自然ともいえる文体が読みにくいかな。主人公、あらかたそんな人生を背負ってるとは思ったけど、少し想像を超えてた!あと、大学の同級生がもっと絡むかと思ったけどそうでもなかった。さらにポルトガル人同士の会話で「地獄に仏」とか「捨てる神あれば拾う神あり」とか(笑)や、力作ですよ。面白かった!2022/08/10
tomatobook
10
主人公マダレーナがカトリック教徒であることが救いだった。女であること、知的階級であるというだけで受けるバッシング。神父への過去の告白の場面からのその後はドラマティック。建築士としての矜持、生きていく使命、物事への誠実さ、カトリック信者であること、マダレーナの生き方全てに心動かされた。終章を読んだら、序章の意味がよくわかる。坊ちゃん文学賞を受賞した「ルカの麒麟」を読みたくて借りたのだが、表題作も素晴らしかった。2021/05/15
ムーミンママ
8
《ブラック・マリア》はうはう(; ̄O ̄)。。なんだろう。好みなストーリーではないのに(私的だけど)すごく良い作品を読んだ。わたしは無宗教であるがマリアの信仰心とシスター・ペライラの慈愛、アルフォンソ神父の強さに救われた気持ちになった。《ルカの麒麟》こちらは また爽やかな作品でした。2021/11/25