内容説明
私はある日、私からの挑戦状を受け取った。―20名の巨星との“接触”を開始すべし。―アート、文学、映画、マンガ…巨匠たちの創作の秘密を解き明かす、書き下ろしアート短編集。
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、ニューヨーク近代美術館への派遣を経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2006年「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞し、作家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』(新潮社)で山本周五郎賞受賞。17年『リーチ先生』(集英社)で新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
297
原田 マハは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 「CONTACT つなぐ・むすぶ世界と日本のアート」 https://contact2019.com/ と連動した綺羅星巨匠ファンタジー連作ショートショート、楽しみながら読みました。 オススメは『ちょうどいいとこ-4番目のコンタクト黒澤明-』&『ピカレスク-15番目のコンタクト オーブリー・ビアズリー-』です。2019/09/24
旅するランナー
170
芸術家20人を訪問し語り合う、空想のマハ子の部屋。短い対話ですけど、内容が凝縮されて深イイ。清水寺で作品と向き合った時も、それぞれが語りかけてきた感じがしました。時空を超えたコンタクトを体験できました。マハさんが素敵な手土産を持参し、自画自賛するのも面白い。この本自体が、アート好き読者への素晴らしい手土産ですネ。読む。読むとき。読まねば。読め貴方!2019/09/14
おしゃべりメガネ
162
マハさんのアートモノが好きな読書さんにはハマるのかもしれませんが、正直私はマハさんのアートモノがちょっと苦手でして、本書も正直、あまり興味がわかないためか、ちょっと集中力に欠けてしまい、流し読みになってしまいました。映画好きな私には「黒澤明」さんと「小津安二郎」さんのトコはビシッと読めましたが、他の方々の章は(特に美術系)あまりアタマに入ってこなかったです。そもそもマハさんが夢のある話を書きたいように書いた形のコンセプトなので、第三者がとやかく言う筋合いはなく、興味のあるトコだけでも楽しめたらいいかなと。2019/09/16
AICHAN
155
図書館本。昨年7月に予約してようやく手に取った。「ポール・セザンヌ」「黒澤明」「アンリ・マティス」「川端康成」「バーナード・リーチ」「棟方志功」「オーブリー・ピアズリー」「小津安二郎」「手塚治虫」「宮沢賢治」「フィンセント・ファン・ゴッホ」…等々。20名の芸術家、小説家、漫画家等をマハさんが訪問する短編集。といっても実際に訪問するわけではない。何しろ20名の大半は故人なのだ。あくまでフィクションであって、彼らのことをよく知っているマハさんだからこそできたマハ・マジックだ。2021/09/03
のぶ
147
この本が世に出たきっかけは冒頭に記されているが、ICOMなる団体にマハさんが入っている事に始まる。この団体の説明は省くが、マハさんの選んだ物故者20人に対し、仮想の接触をすべく書かれたもの。そんな20の掌編小説が収められているが、読んだ印象は、朝の目覚め前のまどろんでいる時に見る夢のような、何か幻想的な物語が多かった。黒澤明、川端康成、手塚治虫、ゴッホ等、知らない人物も混じっていたが、面白い構成の本だった。時空を飛び越えた話は、著者の博識ぶりが出ていて、とても楽しい気分にさせてくれた一冊だった。2019/08/28