内容説明
海外に行ったことのない英会話講師のゆうき。長いあいだ新しい曲を作ることができずにいるミュージシャンの光太。父親のわからない子を産んだ自分を責める、シングルマザーのましろ。決めるのはいつも自分じゃない誰か。孤独と鬱屈はいつも身近にあった。だから、こんな世界に未練なんてない。ずっとそう思っていたのに、あの「通達」ですべて変わってしまった。タイムリミットが来る前に、私たちは、「答え」を探さなければならない―。日常の景色がガラリと変わる。今に迷うあなたを救う物語。アンダーグラウンド界の鬼才が放つ、珠玉のデビュー小説!
著者等紹介
マヒトゥ・ザ・ピーポー[マヒトゥザピーポー]
ミュージシャン。2009年に大阪にて結成されたバンド・GEZANの作詞作曲を行いボーカルとして音楽活動開始。2014年、青葉市子とのユニットNUUAMMを結成。完全手づくりの投げ銭制野外フェス「全感覚祭」も主催。日本のアンダーグラウンドシーンを牽引する存在として注目を集めている。『銀河で一番静かな革命』が初めての小説となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
49
日常の中にある当たり前の生活、生き方にこそ幸せがある。気づいているようで、忘れていることを想起できた小説でした。地球で生きていることに当たり前になっている、その責任を感じているのかっと突き刺すメッセージもありますね。言葉に力があります。次の作品にも期待したい。2019/12/28
沙智
20
毎日何気なく目にする物、例えば時計や電信柱、道端の花、そういった物達が発する詩的なエネルギーに私たちは気が付けないでいる、とても静かで、静かで、虚無的、だけど美しい物語だった、ストーリーを楽しむというよりは、ことばの美しさの可能性と邂逅する物語だった、雨音を聞きながら真夜中に読みたい、2019/06/21
mia-r
11
クリスマスの夜に、あるいは年が終わる夜を待つ時に、こんな奇跡みたいな本を読めて幸せでした。間違いなく今年のベストに入る。や、くらべられない位、素晴らしい本ばかりなので、なので、本棚に入れておきます。2019/12/25
vannie
6
言葉にしてしまうと壊れてしまいそうな美しい世界とリアルな日常を切り取った路地裏のようなじめじめしたものが混在している。世界の終わりが明確に示された世界でいかに最期を迎えるのか?詩的な言葉の数々がキラキラして眩し過ぎたな。と汚れきった大人は思うのです。2019/08/11
栗ガール
5
最後のタイトルが出てくる瞬間震えた。文字を超えてその奥深いところへとつながった感覚。最後のおやすみと声をかけあい今日を閉じようとする家族。これは幻だったのか?あの家族に果たして明日はあるのか?それは誰にもわからないけどあの愛おしい時間よ。頭の中スローモーションで再生されるあの一瞬。あの静けさの中急に現れた光、その中に永遠があるのだとすれば、それが一生続いてくれればいいのにと思う。好きなシーンがたくさんある。あの赤い花、白い海、いろはの髪の動き。映像が頭の中に流れてくる。これは贈り物の話。ありがとう。2020/04/13