内容説明
2018年に入り、米朝関係は危険な水域に達していた。一手間違えればアメリカの戦略核が平壌を襲い、北のICBMがワシントンに向け発射される。そんな危機的状況下で模索されるトランプと金正恩によるシンガポール首脳会談。その開催40日前、「五島重工」の社員、亀山元一郎が何者かによって連れ去られた。拉致される直前、息子の賢の元に父から一通の封書が届く。中には直径4センチ程のトルコ石、その表面にはギリシア神話にでも出てきそうな男の顔が彫られていた…。日本・韓国・北朝鮮を舞台に描く迫真のインテリジェンス小説。
著者等紹介
田中経一[タナカケイイチ]
1962年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、テレビ業界へ。その後、フリーの演出家として独立。数々のテレビ番組の演出を手がけ、多くの受賞歴を持つ。2014年、『麒麟の舌を持つ男』(文庫にて『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』に改題し、映画化)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikutan
64
今年6月にシンガポールで開催された米朝首脳会談をモチーフに、朝鮮半島非核化に向けて繰り広げられる40日間のストーリー。実在の人物が登場するのでノンフィクションのような緊迫感でグイグイ引き込まれた。純粋な探求心で作り出された技術が、核兵器という思わぬ方向に向かっていく。科学者たちの苦悩は想像に難くない。彼らのように誰かが命懸けで、この危機の回避に力を尽くしているのかもしれない。人物の意外な繋がりなど飽きさせない構成で楽しめた。また、クラウドファンディングという新しい手段を知ることもできた。2018/11/27
ren5000
29
今年あった米朝首脳会談がモチーフで表面的には実話と同じように進むけど裏ではいろんな駆け引きや事件が起こります。インテリジェンスなお話なのにちょっとさらっと行き過ぎの感がありありであまり物語に集中できなかった。しかし実際に北朝鮮問題はどうなっちゃのかなと不安が増した。。2018/12/29
TAKA
12
久しぶりの田中さん作品。歴史的な米朝会談の裏側で起こる日本と韓国を巻き込んでの核問題に纏わる話。テーマは重めなのに割とサラッと読めてしまう。色々と入り組んでるようで実はシンプルな感じがする。2018/12/18
スプリント
11
シンガポールで開催された米朝首脳会談を絡めたインテリジェント小説です。日朝韓の歴史も関係してきて物語に厚みがあります。2018/12/30
トト
7
今年実際に開催された日米首脳会談をモチーフに、当日起きる事件をカウントダウン形式で語るサスペンス小説。 戦後日米韓朝が歩んだ一つの可能性の帰結としては、興味深いストーリーです。 当日前に読めていれば、ワクワクしたかも。 政治的にそれは無理だったんだろうけ ど。 2018/11/26