内容説明
毎日新聞「しあわせのトンボ」傑作選、連載10周年記念作品。味わい深い文章で日常のおかしさやせつなさを鮮やかに切り取る珠玉のコラム集。
目次
1章 心は外に
2章 日々日々また日々
3章 ほほえむことができるのに
4章 哀しみを知って笑いを深くする
5章 笑いの天使とともに
6章 たそがれの日本
著者等紹介
近藤勝重[コンドウカツシゲ]
コラムニスト。毎日新聞客員編集委員。早稲田大学政治経済学部卒業後の1969年、毎日新聞社に入社。早稲田大学大学院政治学研究科のジャーナリズムコースで「文章表現」を出講中、親交のあった俳優の高倉健氏も聴講。毎日新聞では論説委員、「サンデー毎日」編集長、専門編集委員などを歴任。TBS、MBSラジオの情報番組にレギュラー出演し、幻冬舎では「しあわせのトンボ塾―大人のための文章サロン」を主宰している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
163
思えば、移ろう歳月を彩る花には随分と救われてきた。ひっそりと隙間に咲く花、一輪の花、一枚の葉も、今日という一日のために。…枯木に移ろいを、落葉に樹形を想う。私は少しの約束を交わす。微笑みを忘れてはいけないと。日々また日々、ささやかなことを幸せに感じる心を保ち続ける。…歩いているときにふと浮かぶ一文に心が軽くなる。誰だって表裏があり、誰だって疲れる。まっいいか。寒風にもまれながら成すべきことは黙々と、いずれ芽吹き花を咲かせるだろう。ああ今日も穏やかに過ぎた。夕焼けの空を眺めて、そのありがたさを沁々と感じる。2021/10/08
MI
83
毎日新聞夕刊のコラム「しあわせトンボ」をまとめた本。日々の愛犬との散歩や仕事などコラムなので一つ一つは短く、挿絵が入っているから気楽にホッとできる本。印象に残ったのは①人間は望むものを入手しようと尽力する。老齢期になると、得たものを肩の荷物を下ろすように次々と手放す。そして自ら在るだけになっていくのが私の老いる理解。②健康一家のカ行。カ感動、キ興味、ク工夫、ケ健康、コ恋心。③東日本大震災の被災者がラジオ川柳に寄せた作品「哀しみを知って笑を深くする」辛いことが多い世に笑いを深くする、とても素敵だと思った。2024/07/25
おせきはん
21
『毎日新聞』夕刊に掲載されたコラム集です。常日頃の当たり前と思っている生活を送れるありがたさ、幸せをひしひしと感じました。一日一日を大切にして丁寧に生きようという気持ちになりました。2021/09/07
雛
6
夕刊に載せてたコラムから選び、手直し、または書き下ろしまとめられた1冊。どの話も、日常の一コマ。個人的には想像の域を出ることは無いけど「あんパンとおじいさん」はホノボノとした作品で群を抜いてお気に入り。本の中で出てくる草木をネットで調べてみたり。百日紅(サルスベリ)名前は知ってるけど花まで思い浮かばず…。読みながらいくつか調べてみました。公園の風景も目に浮かぶよう。日常って何気に過ごすには実は勿体ないのかも?1日の大切さ。一瞬の大切さを改めて感じた。我が家の空気清浄機…唸って頑張ってる瞬間…あります。2024/07/26
千頼
2
命は有限だと分かっている。知識として分かっている。でもまだまだ先だと思っているから、この本に感情移入できなくて、よかったなぁと思う。命を無駄にするなと言われるが、死ぬことが怖くて仕方ない私にとっては、死にたいと思って死ぬ方は必ずしも不幸ではないんじゃないかなと思う。そんな本ではないんだけど。[図書館本]2021/01/06