内容説明
「なにを言っているのかよくわからない人がいる」演劇界の異才が着目する生活のワンシーン。バカバカしい、くだらない、なのに深い。待望のエッセイ、最新刊!
目次
紀行―「職安通りへ」
社会―「フェイスブック」
グルメ―「豪徳寺で美味しくいただく」
今月の小粋な道具―「鉛筆削り」
恋愛相談「べつの女性を好きになってしまった」
ファッション通信―「どう呼べばいいのか」
ルポルタージュ―「新宿2011」
健康―「からだがだるいとはなにか?」
書評―「『ハムレット』ウィリアム・シェイクスピア/福田恆存訳」
音楽批評―「AKB48」〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らぱん
32
脱力系の笑いでなんともくだらないのだが知性を感じさせて不思議に面白い。宮沢章夫の目のつけどころは多くの人の共感を呼ぶもの(いわゆる、あるある)なのだが、そこをどうネタにできるかということが、才能、センス、技術なのだな。例えば、街を歩いていて見かける妙な看板に、あれっ?とか、クスッ(笑)とかすることはあるが忘れてしまう。余裕のない時には看板に気づきもしないこともある。そんなことを味わえるほうがいいよな。この本のおかげで、笑いのハードルの下がった自分が陽気で楽しい人になったようでちょっとうれしい。2019/04/14
おかむら
29
劇作家宮沢さんのゆるいエッセイ。「非常に悪い落札者です」「台車」「京王線」「死んだ父が…またあらためまして死にまして…」「シジミがいいと知っている世代」等々。なんだかいい具合にオカシイ。ゆるむわー。2015/05/12
Tui
27
氏のエッセイもこれで何冊目でしょうか。さらに安定の脱力。宮沢氏のその安定性が、私のようなリピーターを招きます。今回は結構お堅いタイトルが並んでいますね。たとえば『美術批評「伊藤若冲」』。内容は、若冲の展覧会でのおばちゃんのコメントを批評する。それだけ?それだけです。全編こんな。中でも面白いのが、北九州市のタウン誌「雲のうえ」について書かれたエッセイ。龍一丸カッコイイよ。ぜひ本文を読んでほしいのですよ。なのに、丸尾少年の夢の龍一丸を静かに海に沈めてしまうなんて、ブラックな宮沢氏。それはいかんだろう。2015/05/23
紫羊
26
読書記録を調べると、1993年9月に読んだ「彼岸からの言葉」が宮沢章夫氏との出会いでした。以来、刊行されたエッセイは全て読みました。ただし、面白さに顔が弛んでしまうので人前では読めませんでした。今回も、脱力しそうな面白さは変わらず、宮沢節健在なのが嬉しかったです。2015/06/07
ケイティ
25
安定の宮沢節エッセイ。悩み相談の話が面白かった。いろいろな本を読む合間にこのような本は何とも言えないクッションというか一服できるような心地よさ。いつまでも小さなところに引っかかってモヤモヤしていていただきたいです。これからも読み続けたい。2016/01/21