内容説明
ステーキハウスのオーナー夫妻が、独身でオタクの妹を心配するあまり開いた合コン。そこに集まった、奇妙な縁の男女6名。結婚したかったり、したくなかったり、隠していたり、バツイチだったり…。彼らのさざ波のような思惑はやがて大きなうねりとなり、それぞれの人生をかき回していく―。ままならないけれども愉しい人生を、合コンをモチーフに軽妙な筆致で描く、かつてない読後感を約束する傑作長編!
著者等紹介
大島真寿美[オオシママスミ]
1962年愛知県生まれ。南山短期大学卒業。92年「春の手品師」で第七四回文學界新人賞を受賞しデビュー。2011年に刊行された『ピエタ』は第九回本屋大賞第三位となり、大きな話題となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
135
ステーキハウスで開かれた一夜の【合コン】から始まる人生もろもろを綴った連作。集った6人がそれぞれ幸せを掴む?のだが、そこはそれ!人生に【絶対】は無いから面白い。人は一人では生きていない。誰かと関わりあって生きている。【結婚】だけが全てじゃないが、その一夜から動き出し、明らかになる彼ら、彼女らの生き方はステーキハウスのオーナー夫妻の娘にも影響を及ぼすーあゝ、久々に明るく愉しい話を読んだ。読後感は良い。一度も経験したことが無い【合コン】面白そうだが私には無理だろうなぁ・・2017/11/23
けい
108
義理の妹の将来を思いステーキハウス経営する鏡子が、客である瀬莉に頼まれたこともあり企画した合コン。ここに参加した6人と鏡子、鏡子の娘である奈々を加えた8人で視点で綴られる連作短編集。一夜の出来事をきっかけに大きく変化していく参加者のその後を、色んなバージョンで読ませてくれます。幸せの形も人それぞれ、どこか全体的にコミカルで楽しい作品でした。2014/05/10
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
103
★★★✩一夜の合コンで知り合った男女6人の物語。途中、強烈に語られる結婚願望に辟易するも、それ以外のトコは面白く読んだ。縁はドミノのように繋がって、たどり着く先に運命の人が待って居る…わけも無く。本当は、次々繋がるドミノの上のライドに乗って、人は出会いと別れを繰り返す。10年一緒に暮らした相手が初対面の人のように思えたり。初めて会った相手に、悠久を越えた運命を感じたり…。そして、どんな出会いの中にも、とどのつまり見せつけられるのは自分自身。そんな現実に辟易するけど、それは紛うことなき真実なのだけれど…2016/03/19
吉田あや
91
妹の行く末を心配した兄夫婦が計画した合コンに集まった男女6人。波乱を含み展開していく運命の分かれ道となったワンナイト。それぞれの想いも別の人からの角度で見ると一見一途な想いには隠されたズルい感情や駆け引きが伴ったり、なんでもなさそうなところにふわっと生まれる想いがあったり。愛情に真剣に向き合わなければその愛情にいつの日か自分が淘汰される。結婚が幸せなのかどうなのか、誰との運命が正しいのかなんて最後まで誰にも分からない。でも、私にもやり直したい夜はたくさんある。2015/08/21
しょこら★
91
3対3の合コンがひらかれた夜。無理やり参加、意気揚々、ピンチヒッターと状況は違えど、たった一晩のステーキ屋さんでの出会いが運命を変えるーー。歩と祐一郎なんて、まさに運命としか言い様がない。自分もオタク寄りだから分かるけど、ほんと素なんてさらけ出せない。そんな度胸ない。でも今後、付き合って行くなら… でも猫っかぶりしてたさなえも紆余曲折?で結局おさまっちゃうし。それぞれの思いと行動がぐるぐるしてく、不思議なめぐり合わせ。2015/02/23