出版社内容情報
東日本大震災の行方不明者約二千七百人。娘を捜し続ける父、妻の勤務先に説明を求め続ける夫、親子二代で地域の復興に頑張る経営者・・。行方不明者と共に生きようとする家族たちを描いたヒューマンドキュメント。
内容説明
行方不明者の家族は遺族と呼んでいいのだろうか?東日本大震災から二年。いまだ行方不明者約二千七百人。娘を捜し続ける父、妻の勤務先に説明を求め続ける夫、親子二代で地域復興に頑張る経営者…行方不明者と共に生きようとする家族たちの想いを描いたヒューマンドキュメント。
目次
第1章 自分で捜せない、大熊町の苦難
第2章 犠牲を無駄にしないため闘う
第3章 捜す人々
第4章 海に嫁いだ娘
第5章 家も家族もみんな消えた
第6章 子どもたちとここで生きていく
第7章 津波との因縁、親子二代の地域復興
著者等紹介
石村博子[イシムラヒロコ]
1951年北海道生まれ。ノンフィクション作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じょんじょん
54
彩瀬まるさんの体験ルポ『暗い夜、星を数えて』を読んで、テレビ放送のニュースでしか、東日本大震災と触れていなかったこと、表面的な受け止めだったと気づき、手にしたこのドキュメントでさらにショックを受けました。いまだ多くの方が行方不明、残された家族のお気持ちは胸が張り裂ける思いでしょう。特にお年寄りを助けて行方不明になった女子大生とご両親の章は涙が止まりませんでした。見ないようにしていた、被災動画ですが、このドキュメントの土地の動画を改めて見て、心底から震撼し、恐怖が溢れました。さらに振り返ってみたいと思います2019/04/03
くぅ
46
読みながら何度「今どこにいるの?」と思っただろうか。本当にこれに尽きる。東日本大震災の揺れは本当に怖かったし忘れることは決してないが、私は幸いにして家族や友人が犠牲になるようなことがなかった。そんな私がこんなことを言っていいのか疑問はあるし誰かを傷つけることになるかもしれないが…でも敢えて。亡くなって御遺体が戻ってきた人は行方不明のままの人よりはまだ心のやり場があるのではなかろうか。大切な人が戻ってこない。何も残らず、生きているのか死んでしまったのか、どこにいるのかわからないのは苦しい。2019/03/13
アッキ@道央民
42
毎年、東日本大震災が起きた3.11に合わせて読んでいる震災関連の本。今年は図書館で見つけたこちらにしました。岩手県や宮城、福島県など太平沿岸で発生した大津波により、家族が行方不明。突然、日常が奪われ、家族までっていうだけでも身を切られる思いだと思う。泣く泣く死亡届けを出す物の、いくら時間が経っても割りきれる物ではない。『今どこにいるの』この一言に尽きると思う。そんな中もがきながらも生活の再建や地域のためにとスーパ-の再建に乗り出す人たち。明日や未来に何が起きるかなんてわからないけど、大切な人たちとの時間2023/03/13
かおりんご
23
あの日のことを後悔しなかった人は、いないんじゃないかと思う。自分がとった行動が裏目に出て、愛する人を失ったならなおさら、、、津波にさらわれ、亡骸に会えないなんて、残された家族の哀しみは私の想像を越えそうだ。死ならば、時間がたてば癒えそうな気もするが、遺体を見ていないだけに、ある日ひょっこり帰ってくるかもしれないという淡い期待も捨てきれず、、、この本に取り上げられた人は、被災した方のごく一部であって、まだまだ苦しんでいる人は多いと思う。私たちにできることはなんなのか、考えていかなければならない。2018/03/26
壱萬参仟縁
22
非常時においても、 文書主義やら官僚的な感じで、 もっと手続きの簡素化ができないのか。 銀行側の誠意が伝わらないという事例もある。 同じ場所で遺体を探すというが、 4度目の捜索で発見されるケースもあるという(68頁)。 執念の捜索。 事故から半月、30キロ圏内での捜索は まともに行われなかったという(102頁)。 不届き者が圏内の窃盗目的で 入っていったのは、 どさくさまぎれで許せない行為だ。 その人は、間違っても絆なんて いえないだろう。 2014/05/14
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