内容説明
ある日、僕の前に「はるひ」という女の子が現れる。「未来を変えるために、助けてほしい」と頼まれた僕は、それから度々彼女の不思議なお願いを聞くことになり…。時を越えて明かされる、温かな真実。切なくも優しい連作ミステリー。
著者等紹介
加納朋子[カノウトモコ]
1966年福岡県生まれ。92年「ななつのこ」で第3回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。95年に「ガラスの麒麟」で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
249
さららその3。本作では全作までのメインキャラは本作主人公のユウスケくらいしかほぼ出てこない。時系列的にも複雑に入り組んだ内容になっておりちょっと戸惑った箇所もありましたが、最後は涙モノの展開で面白かった。2015/01/25
ウッディ
174
幽霊が見える能力を持つ少年「ユウスケ」は、佐々良川のほとりの「はるひ野」で「はるひ」と名乗る少女に声をかけられる。彼女の頼みを果たすとこれまでの出来事とは少し違うもう一つの幸せな世界になる。「ささらさや」の優しい世界観で描かれたパラレルワールドのお話でした。何度も前の頁を行ったり来たりしながら、複雑に入り組んだ物語を楽しみました。はるひ野の春夏秋冬に起こった不思議な出来事は、再びの春で完結します。爽やかな読後感でした。2017/12/10
*すずらん*
167
佐々良シリーズ完結本。サヤさん家のユウ坊が主人公です。初まりから何かを予感させるスタート。我が子を助ける為に過去へ向かったはるひの手助けをするユウスケ。その過程で拾われていく命。生と死をテーマにもしあの時…を考えさせる点で、道尾氏の「鏡の花」を思い出しました。死という重い題材を、加納さんは安らかに優しく描いています。遺された者を見守る死者の温かな視線。このお別れの後に、またきっと出会えるという約束。全ての伏線がはるひ野の美しい情景に収まった時、私達は永い冬から草木が芽吹く春を迎えます。視えないあなたと共に2014/01/02
おしゃべりメガネ
149
また素晴らしいシリーズが完結してしまい、非常に残念です。正直、過去2作品を読了してから相当なブランクがあったので、関連性はほとんど忘れてしまっていましたが、それでも十分に楽しめる内容でした。最後へ展開(まとめ)は少しキビしいものもあるかとは思いましたが、まぁ、コレはコレで良かったのかもしれません。個人的には「なつ」の話がとても印象的でした。どの作品もココロ温まるありがたいお話ばかりです。読了後のあとがきで知ったのですが、作者さんは「白血病」を患い、大変な時期を過ごしていたんですね。その背景?に納得でした。2014/05/24
紫綺
145
佐々良シリーズ「ささらさや」「てるてるあした」の最終作品。不思議な不思議なSFチックファンタジー。はるひ野で起こる様々なエピソードをひとつ一つ解決しながら、最終的に良い結果へと導かれる。悲しみは残るが、希望に満ちた結末だった。2013/10/30
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