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日輪の賦

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  • サイズ B6判/ページ数 395p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344023543
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ときは7世紀終わり―古よりの蔑称「倭」の名に甘んじる小国は、海を挟み強大化する唐と新羅の脅威にさらされている。国家存亡の危機を前に、改革を急ぐ女王・讃良(さらら・持統天皇)と、それに反発する豪族たちの対立は激化していた。讃良により国の仕組みを根本から変える律令の編纂が密かに命じられる裏で、ある恐ろしい謀略が動き始める―。書き下ろし。「日本」誕生の壮大な歴史エンターテインメント。

著者等紹介

澤田瞳子[サワダトウコ]
1977年京都市生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒、同大学院修士課程修了。専門は奈良仏教史。2011年、初の小説『孤鷹の天』で第17回中山義秀文学賞を最年少受賞。2012年『満つる月の如し』で第2回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤枝梅安

78
讃良大王(持統天皇)の時代、律令を完成させようとする讃良とそれに反対する勢力の暗闘に巻き込まれていく若者たちの物語。亡くなった兄・八束の後を追うように、和歌山から奈良・藤原京に出仕してきた「廣手」と八束の恋人だった「忍裳」を中心に、「私刑ではなく、律に従って罰せられるべき」という思想や、「律令により、王の独裁体制から官吏が運営する国家へ」という形態の萌芽を描いている。「日本」という国名や「天皇」の呼称の由来にも触れられている。後の不比等の専横を予言する言葉も出てくる点も興味深い。歴史教科書のような小説。2014/12/28

さつき

56
持統天皇の時代を描いた小説は色々ありますが、この作品は権力者が主役でなく、我が国初の体系的法典を作ることに邁進する官吏たちがメイン。真っ直ぐに育ち裏表のない廣手。在唐25年の留学生、宝然。天才的な工匠の五瀬。男装の麗人、忍裳。一人一人は小さな人間が、新しい世の中を作るために、それぞれの場所で力を振り絞る様子は胸が熱くなりました。特に日本という国号が生まれる経緯はやはり感動的でした。2018/05/17

ゆりあす62

56
図書館本。★★★★☆ 讃良大王(持統天皇)の時代、倭ではなく新しい国、日本(ひのもと)としていずこからも攻め込まれぬ国家をめざし、律令編纂に心血を注いぐ男達。讃良大王は女でありながらも全ての責任と、宮城に渦巻く反対派を鎮め編纂を進める。大事を成す時男達は、個人的な恨みや、能力のある者への妬みを全て捨てて、名も無き一人の官吏としてその仕事を全うした姿は清々しい。2016/02/28

アイシャ

51
持統天皇は亡き夫天武天皇の思いを実現しようと、中央集権体制の国を作ろうとしている。自分たちの利権を守ろうとする有力豪族達との激しい軋轢に苦しみながら。地方豪族の息子、廣手は都で事故死した兄八束のあとを追う様に、大舎人になるために京へ。他国に蹂躙されない強い国を作ろうとする持統天皇の最後の仕上げとも言う律令編纂に彼もまい進する。漢字の読みの美しさに感動するとともに、著者の知識の深さに感嘆した。読みやすいとは言えないが、こうした時期を経て日本という国が作られてきたのだと思った2025/01/10

ちゃいろ子

34
持統天皇や不比等の小説を読んできたが、また切り口が違い興味深かった。 珂瑠皇子を推したい派と 長皇子を推し自分たちの立場を強くしたい多治比嶋たち(真宗のひいひいおじいさんではないか!)。 当たり前だけれど作家によって人物像が全く違っていてそこ面白かった。こちらの不比等は影薄(笑)そして讚良は物凄く人格者でちょい違和感(笑)があるのだが、これも私の先入観でしかない。聡明でけして出しゃばらない葛野王の激高ぶりは良かったし、様々な描かれ方の王家の人々を読むのはいつも楽しい。 2024/12/08

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