おもかげ橋

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344023185
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

剣は一流だが、道場には閑古鳥が鳴く草波弥市。武士の身分を捨て、商家に婿入りした小池喜平次。二人は、彼らを裏切り国許から追放した勘定奉行の娘で初恋の女・萩乃と、十六年ぶりに江戸で再会し、用心棒を引き受ける。一方、国許では、かつて化け物と恐れられた男が藩政に返り咲き、藩を二分する政争の余波が、二人にも及ぼうとしていた―。

著者等紹介

葉室麟[ハムロリン]
1951年福岡県生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で第29回歴史文学賞受賞。07年、『銀漢の賦』(文藝春秋)で第14回松本清張賞を受賞。12年、『蜩ノ記』(祥伝社)で第146回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤枝梅安

81
今までの葉室作品とはやや趣を異にしている。まず、装画が柔らかい感じ。中身も、「お家騒動に巻き込まれて致仕した」までは同じだが、「清廉潔白、非の打ちどころのない」主人公から、煩悩と青春の夢を捨てきれないちょっとダメな三十路男と美しいがなんだか芯が通っていない女性が主人公。その他の登場人物も、どこか欠陥のある人たちばかり。軽くスイスイ読めるが、葉室さんの今までの作品を読み、期待する読者には物足りないかもしれない。日刊ゲンダイに連載されたとのこと、確かに仕事帰りのサラリーマンに受けそうな展開だな、と納得。2013/10/28

kazu@十五夜読書会

69
剣は一流だが道場は閑古鳥の鳴く貧乏侍・弥市と、幼馴染みで武士の身分を捨てて商家に婿入りした喜平次。二人は、彼らを裏切り国許から追放の憂き目に合わせた勘定奉行の娘で、初恋の女・萩乃の用心棒を引き受ける。16年ぶりに再会した萩乃の変わらない美しさに心乱されるなか、父・民部から夫への密書を携えた萩乃の身に危険が迫る。一方、国許では、かつて化け物と呼ばれた男が藩政に返り咲き、藩を二分する政争の余波が、二人にも及ぼうとしていた……《データベースより》2013/05/14

くりきんとん99

63
『螢草』も今まで読んだ葉室さんとちょっと違った雰囲気だったけど、これもまた違う感じだった。上司に裏切られ藩を追われた弥市と喜平次。そしてその上司の娘、萩乃。萩乃が何を考えてるかさっぱりわからなかった。計算してるのか素なのか。でもその萩乃を想う二人。男の人ってやっぱりきれいな人に弱いのね~。2013/04/18

Gotoran

59
比較的軽めの娯楽性の高い葉室時代劇だった。分りやすい展開で、非常に読み易く、読後感も清々しかった。現代における誤った個人主義の行き過ぎで、皆無になりつつある、古き良き日本の義理堅さ、辛抱強さをひしひしと感じることができた。主人公は、貧乏侍の草場弥市と幼馴染の武士から商人になった小池喜平次と二人の初恋の女・萩乃、この3人の立居振舞も良かったが、個人的には、脇役ではあったが、弥市のところへ押し掛け女房となる弥生の骨太の肝っ玉が非常に印象に残った。2017/06/02

Mumiu

52
無自覚な天然美女って怖い! かつての憧れの人・萩乃に振り回された感の弥市と喜平次。葉室作品は「蜩ノ記」と「千鳥舞う」を以前読んだが、どちらも単純なハッピーエンドではない。敗者の美を文章にする人なのかと思い、「おもかげ橋」もラスボス萩乃or左京亮or萩乃父の前に散りゆく二人なのかと読み進めた。萩乃へぬけがけを牽制しあう二人はどうなるのかと思ったが変わらぬ友情に好感がもてた。弥市の見合い相手弥生は、弥市の魅力をきちんと捉えていて、その包容力は素晴らしい。萩乃は所詮、武家の美しいお嬢さんの域にとどまっている。2013/04/24

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