内容説明
ニートの末、姉から仕送りを止められ、紹介された会社でインターンとして働くことになった小山大地(30歳)。そこは、農業界に名をとどろかせる若き天才・水倉陽太が経営する農業会社だった。実家の家業でもあった農業を、初めはかろんじていた大地。だが黙々と新種の改良に打ち込み、作業をこなす水倉の姿を目の当たりにし、次第に働くことの意味、農業の面白さを見出していく。そんなある日、水倉の死体が畑で発見された。大地は、水倉のひとり息子とともに、死の真相を探ろうとするが…。
著者等紹介
大門剛明[ダイモンタケアキ]
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。2009年『雪冤』で第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞をW受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
59
大門さんが農業関連の本?!と、思いきやしっかりミステリーになっておりました。新潟の農村地帯が舞台。米どころの新潟にあって無農薬にこだわる若き生産者水倉とその家族の物語。会社として農業を営む水倉の元にニートだった30歳の大地が働きにやってきた。ある日、水倉が死体で見つかる。事故か、他殺か?遺された12歳の少年と大地は真相を探り始める。村八分、農薬問題、TPPなどいろんな問題をはらんで見えてきた真相は…。終盤、少年が真相を語るシーンはこれまでの大門さんにない設定で新鮮。日本の農家に未来あれ!!2019/05/23
takaC
57
終章で取り繕った感じがあからさまであまり後味の良い話ではなかった。それが「村社会」の事実だといいたいのだろうか残念な人が多すぎ。2013/09/26
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
48
著者初読み。ニートになった主人公の大地が、あるきっかけで農場で始めることに。減反政策、TPP、JAなど日本の抱える農業問題にも関連したミステリー。大地が次第に働くことの意味、農業の面白さを見出していく所が清々しい。農業のでもいじめがあるんですね。2018/04/24
七色一味
45
読破。え? そっちなの? タイトルと装丁からは想像できなかった、驚き(笑)の展開! まあ、正直弱いな、という感じは強いですが、それでも、このテーマとこのジャンルを融合させようという試みは、新しいかも。2013/01/19
ミーコ
44
大門さん、2冊めですが惹き込まれます。一気読み‥‥ 「生きるぼくら」と重なりましたが、また違った内容でした。 陽太の死には衝撃を受けましたが、宗村が犯人でなくて良かった・・・ 中々 難しい問題ですね。 大地と陽翔の成長して行く様が良かった。読了後の スッキリ感が良いです。2014/07/20