フクシマの正義―「日本の変わらなさ」との闘い

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フクシマの正義―「日本の変わらなさ」との闘い

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  • サイズ B6判/ページ数 380p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784344022393
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0095

内容説明

「脱原発」「放射能から子どもを守れ」―声高に叫ばれる正義が、新たな犠牲を生んでいないか。3・11後、ますます大きくなる日本社会の歪みを抉り出す本格論考。『「フクシマ」論』著者による、待望の初評論集。

目次

第1部 正義を疑う(ぶつかり合う正義;日本はなぜこんなに変わらないのか;「弱者」を利用してきた「知識人」 ほか)
第2部 見えない現実(「善意」が生み出す悪;ふたたび「宗教」化した世界で;なぜ彼女はマスクを外したか ほか)
第3部 対談―忘却に抗う(原発避難者は今どうしているのか;敵も悲劇もつくるな;原発安全信仰の皮肉な拡大 ほか)

著者等紹介

開沼博[カイヌマヒロシ]
1984年福島県いわき市生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院学際情報学府修士課程修了。現在、同博士課程在籍。福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員。専攻は社会学。著書に『「フクシマ」論―原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社、毎日出版文化賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨクト

20
かなりの良書。タイトル通り震災・原発について書かれているが、本書の本当に訴えかけたいものは、メディアををはじめ、社会における物事の外側からの物事の見方だ。震災での内側・外側の認識の違い、メディアの報道、知識人の立場、良識が良識とぶつかる事象。著者は震災以前から原発と向き合っていたので、震災以前以後の環境を冷静に分析している。そのうえで感じる上記の事柄への疑問と不信感が書かれている。意図的な喧嘩腰の姿勢と文体で、だからこそガツンと来るものがあった。2013/03/28

壱萬参仟縁

4
フィールドワークは大事。現場の肉声ほど信頼できるものはない。著者の痛烈な批判は、日本が変わらぬ問題の最たるものこそ原発という点(36ページ)。合点。変わる変わる詐欺(39ページ)との表現も然り。ニート一人にインタビューして論文に、というのはサンプルを増やさないと説得力のない恣意性がある(87ページ)。研究を甘く観てはならないと思える。大学の成長神話、ガラパゴス化も深刻(94ページ)。南相馬桜井市長の日本全体の問題という考えは重要(144ページ~)。原発の奴隷(212ページ)と。脱成長のラトゥーシュも想起。2013/01/18

kj54

3
同郷の作者にはシンパシーや大きな期待もある。しかし、自分が「東京の学者」から調査される「ムラビト」になってしまったことは違和感を感じる。文脈無視の言いがかりだけど、福島県民をひとまとめにして、3%しか避難していない。と繰り返しているのも違和感。「これまで水俣が歩んできた50年間が、これから福島が歩んでいく50年間だと思うんです」この言葉で全て腑に落ちた気がする。「そうか、俺は俺が『ミナマタ』と聞いたときに感じた『暗さ』の中で生きていく人なのか」 しばらく、作者の仕事は追うでしょう。すごくよい本。 2013/01/21

gontoshi

1
福島の本当の姿の見方が少し見えて来たような、気がします。2020/04/13

坂田 哲朗

1
「当事者が中央の論理ではなく、自分の論理を構築していける状況を作ることにこそ、希望がある。」当事者性ということについてすごく考えている人だと思う。「あいつが悪いという前に、自分の問題として考えていく必要があると思っています。」そうした姿勢に好感を覚えます。そうしていながら実はこの国の近代が現代に至るまで抱え続けて来た様々な物語をつづっている。2014/09/03

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