内容説明
アントニーはクレオパトラの何がそんなに良かったの?キャリバンとプロスペロー、関係のホントのところは?美少女も金貸しも奴隷も妖精も、みーんな性的で病的?本当は性と植民地、そして他者をめぐる挑発が満載されたシェイクスピア名作群のスリリングな読み。
目次
第1楽章 キャリバンは怪物か?―『テンペスト』の魔術と呪術(人間か、怪物か;カニバルの島 ほか)
第2楽章 シャイロックの財産はどこへ?―『ヴェニスの商人』と放浪する資本(ホロコーストとイスラエル;金貸しと冒険商人 ほか)
第3楽章 デズデモーナに子どもができたら?―『オセロ』と逸脱する性(夫と妻の物語;カニバル・ストーリー ほか)
第4楽章 クレオパトラの鼻の高さは?―『アントニーとクレオパトラ』と魔女の血筋(美と教養;ジプシー女の情愛 ほか)
著者等紹介
本橋哲也[モトハシテツヤ]
1955年生まれ。東京大学文学部英文科卒業、英国ヨーク大学院文学科修了。D.Phil.(文学博士)。現在、東京都立大学人文学部英文科助教授。専門は、英米英語圏文学、カルチュラル・スタディーズ
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感想・レビュー
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Moca
13
シェイクスピアの劇は実は見世物としての演劇だったことは知らなかった。 人種差別、娼婦、植民地、セクシャル等に関して、恐ろしさを描いている。 キャリバンは実は食人種だったことは衝撃的なのである。
mimm
12
単純に暗号やメタファーとしての「怖さ」を期待して借りたので、よもや批評理論が絡んでくると思わず、多分四割も理解できてない…。「テンペスト」「ヴェニスの商人」「オセロ」「アントニーとクレオパトラ」の四作品を揚げ、<性>と<植民地>をめぐる様々な力関係のドラマとして、シェイクスピアの演劇を読み抜いた一冊。徹底した白人・キリスト教・男性至上主義に驚きつつ、この時代の思想や社会背景を識らないことには、真にこの時代の作品を楽しむことはできないと思いました。形を変え、実は今も繋がっている差別の【こわい】一冊です。2012/09/29
viola
3
再読。『侵犯するシェイクスピア』を読んでまた読んでみました。ブログで入門書におススメって書いちゃったんですが、入門書・・・には向かないかもしれません↓ 『テンペスト』『ヴェニスの商人』『オセロー』『アントニーとクレオパトラ』の4作品について。これらを読んだことがあれば、きっと面白いのでは。2010/03/14
青縁眼鏡
2
これまで読んだシェイクスピア本とは、方向性が違う。参考図書も読まなくては。2019/06/10
うりん
1
なんというかもっと解説本なのかと思って借りたのですが内容がこ難しい。パラパラと読んだ。それだけ。2010/07/18