内容説明
どんな貧乏も失敗も、親父が話すと幸せになる。俳優・安田顕(TEAM NACS)の故郷、室蘭。心揺さぶる家族愛エッセイ。
目次
オヤジの親指
親父の恋
親父と酒
親父と歌
親父と病
親父の家
親父と兄貴
親父←→手紙
親父と舞台
親父と映画
学び舎
居酒屋
おじさん
旅
母親
贈り物
う○ち
食卓
運動会
入れ歯
親父としゃべる
あとがきにかえて―父。私。故郷。
著者等紹介
安田顕[ヤスダケン]
1973年北海道室蘭市生まれ。演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー。ヤスケンの愛称で親しまれている。TEAM NACSの活動とともに、映画では「man‐hole」「大洗にも星はふるなり」他、ドラマでは「瞳」「ホタルノヒカリ」シリーズ、「SPEC」「チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸」他、舞台では「宮城野」「スマートモテリーマン講座」「琉球ロマネスク『テンペスト』」他、幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん🌹柳緑花紅
72
あったかい本読んだ。安田顕さんの、お父さんの北海道弁で父を思い写真を取り出たら涙が出た。泣いた私に父の声「何泣いてる?はんかくさいなぁ」「たまには良いべさ」あったかいふるさとと家族のお話。安田顕さんが更に好きになった。2014/06/13
あつひめ
62
大人になると自分は一人で生きてきたような気になってしまうけど、両親や兄弟が居て、そのうち嫁を貰って子を授かり…そのうち子が嫁いで孫ができ…。人の繋がりは途絶えることなく続いていく。実家がそこにあるだけで帰る場所がある。そう思えることが心の弱さの支えになる時もある。とっても温かい家庭が安田さんの原点であることを感じさせてくれました。北海道に暮らすには片意地を張っては生きられない。支えあいが大事なところ。文章の良しあしを語る父と息子。そこには、照れくささが溢れている気がした。幸せそうな安田父の姿が浮かぶ。2012/04/04
こみっくま🍏10
57
俳優・安田顕さんが父親とのエピソードを綴る2011年発行のエッセイ。子どもの頃住んでいた地名をそのままタイトルにしたものらしいけど現在この地名はないそう。自由奔放でハチャメチャな昔の父親っぽい所がありつつもユニークでいつも冗談を言っては子どもを笑わせたりする。寝る前に自作の話を聞かせたりと子どもを大切にする面も。他人の私から見ても凄く魅力的で愛すべき存在。お父様を優しく包むようなお母さまとのご夫婦像もなんか可愛らしい。こんな二人から生まれた安田さんのこれまでの様々な作品たち・・・・なるほど!と思うばかり。2017/08/25
あじ
53
故郷を後にし巣立った息子が父となり、我が父の若かりし頃を邂逅しながら偉大さを実感してゆく。子を持ち初めて知る親心、そして年老いてゆく両親を案じる子の気掛かり。親という存在は弱味であり、強味でもあるなと感じ入る。故郷は心の拠り所であり、父と母は無償の懐を持つもの。顕さんの親しみやすい語り口に耳を傾け、故郷の風景を瞼裏に映し私は父の姿を投影した。思い出は生きるために必要な糧。誰にも盗めない所にある。あの日あの時の思い出を、家族で共有できる事は幸せなんだ。ぽっと心に温かい火が灯るエッセイであった。2014/08/28
kaoriction@本読み&感想リハビリ中
27
実は、TEAM NACSも、安田顕についても、私はよく知らない。それなのに、最近なぜかヤスケンが気になる。テレビにヤスケンの姿が映ると追いかけてしまうし、書店で本作の文庫を見つけて立ち読みをし、悶々と頭の中をヤスケンが侵食。そして図書館で本作を見つけ、気になるヤスケン、借りてしまった。父親ヒロシとのことが独特なユーモアで淡々と語られている。最近、私の父が入院したこともあり、親近感と哀切と。老いて死に向かう父がいるから、いまの私がいるのだなぁと痛感。泣けた。二人の対談がまたいい。ヤスケン、益々脳内を侵食中。2014/01/15