内容説明
埼玉県の長閑な田園地帯で、肉片と骨の屑のようなバラバラ死体が発見された。被害者は現場近くにある製薬会社・スタンバーグ製薬に勤めていた桐生隆。仕事ぶりも勤勉で質素な暮らしを送っていた青年は、なぜ殺されなければならなかったのか?埼玉県警捜査一課・槙畑啓介は捜査を続ける過程で、桐生が開発研究に携わっていた“ヒート”と呼ばれる薬物の存在を知る。それは数ヶ月前、少年達が次々に凶悪事件を起こす原因となった麻薬だった。事件の真相に迫るほど、押し隠してきた槙畑の心の傷がえぐり出されていく。過去の忌まわしい記憶を克服し、槙畑は桐生を葬った犯人に辿り着けるのか。
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。花園大学文学部国文学科卒業。現在会社員。2010年『さよならドビュッシー』で「このミステリーがすごい!」大賞第8回大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ダイ@2019.11.2~一時休止
275
初めての中山作品。改めてWikiを見て海堂さんのように他作品とリンクしていると知り、読む順番を間違ったかと不安だが、単品で十分に楽しめた。2014/06/28
文庫フリーク@灯れ松明の火
234
見事にミスリードされてしまった。老若男女の区別はおろか、体格の大小さえ判別不能な程分断され、骨付き肉の散乱状態で発見された死体。被害者は外資系製薬会社社員。時系列では『カエル男』の前になる埼玉県警・渡瀬班長もの。ネタバレしたくないので、犯人は読んでのお楽しみ。主人公となる渡瀬の部下、槇畑刑事・警察庁生活安全局の宮條・被害者恋人の毬村美里、そして被害者の桐生隆。事情は異なれど、共通するのは『落とし前を付ける』という意志。「覚醒剤より効いてマリファナより醒め易い」麻薬《ヒート》。メガビタミン理論や脳内麻薬→続2013/05/17
takaC
217
一割も読み進まないうちに、勢いで書いた的雰囲気が文章から感じ取れてしまったため熱が冷めて惰性で読み終えた。あげくの果て最後のページを読んで本を放った。図書館本なのに…。残念小説。2013/09/27
sora
181
読後、背筋が寒くなりました。むごたらしい描写の恐ろしさよりも、人の行為によって、引き起こされる恐ろしさ。「どうするのよ、目の前で現実に起こったら・・・」と、考えてしまいました。2014/01/18
れみ
177
なんという後味の悪い作品。細切れの遺体で発見された被害者、犯人に襲われる場面を想像するにオエ~と言いたくなるけど、最後まで読まずにはいられなかったです。「さよならドビュッシー」のシリーズとは全然違うからびっくりだったけど、私にはやっぱりどこかで同じ人の書く文章だなと感じられる部分もあったかも。2013/04/13
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- 公理論的集合論 (復刊)