内容説明
私は生まれたときから、耳が聞こえません。でも、私は音が見えます。音は感じられます。そして、人に伝えることができます。聴覚障害者には、リズム感がない―。その弱点を克服するために習い始めたピアノが、人生を変えた。奇跡の半生をつづった感動の手記。
目次
第1章 静寂のとき
第2章 『チューリップ』が弾けるようになるまで
第3章 『星の世界』のきらめき
第4章 『エリーゼのために』を弾くために
第5章 一筋の『月光』
第6章 もう一度『エリーゼのために』
著者等紹介
宮本まどか[ミヤモトマドカ]
1960年、静岡県浜松市生まれ。5歳のときに神経性高度難聴と診断される。6歳のとき、言語・聴能訓練と同時にピアノを始める。高校時代には浜松市でピアノコンサートを開催、「日米高校吹奏楽演奏会」に出演。テレビでも取りあげられ、SBS静岡放送『風の旋律~聞こえの家の子どもたち』(日本民間放送連盟優秀賞受賞)、NHKスペシャル『35年目の教育テレビ』に出演。94年には読売新聞・カネボウ「ヒューマンドキュメンタリー」ドラマ部門で『風の旋律』が受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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みや
32
耳の聞こえない少女がピアノと出会い、逞しく生きる手記。強い。美しい。凛として高潔な彼女に惹かれた。幼稚園や小学校で虐めてきた相手を見返すために、発語やピアノの練習に励み始める。ここで萎縮せずに発奮し、毅然と立ち向かう彼女と彼女の母親がかっこいい。リズム感覚や音の強弱を独自の方法で掴む様子は、障害の有無に関係なく、それぞれに合った教育方法を探る大切さを改めて教えてくれた。母となった後も苦労は尽きないが、「苦労することと覚悟をしていれば気持ちが楽になる。ずっと苦労するべきである」と発想を転換できるのが凄い。2017/08/08
b☆h
2
なんとなく、惹かれて読みました。初めて知る事実に、心に決めたことができました。帰る場所がある大切さ、前向きに物事をとらえる大切さに共感しました。2011/06/06
★カイト★
2
耳の聴こえない著者のさまざま体験談と苦労話が胸に刺さる。病気と闘う姿勢と温かい周りの人の支えもあってでも一寸先は闇の波乱万丈な人生を送っている著者に拍手を贈りたい。ピアノを弾けるようになるとはビックリでした。大切な何かをたくさん気付かせてくれる本だと思います。考えさせられました。2010/11/25
三色かじ香
1
聴覚障害について、全然知らなかった自分が恥ずかしくなった。補聴器あれば、普通に生活できるものだと思ってました。口を大きく開けてゆっくりしゃべるように気をつけるだけでも、だいぶ役に立てるかな。聴覚障害に対する理解が進んで欲しい。2015/01/31
ちいくま
1
栗ようかん<ようかん。言語を学ぶには「言葉のふくらみ」の概念も理解することが必要、って、深く気づかされたエピソード。2014/04/10
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