内容説明
10年前に逝った妻子への贖罪の想いを抱え、世間の片隅で密やかに生きる、日雇い労働者の日高。彼が身を寄せる「貴風荘」の家主・ハナさんが倒れたことから、その日常に波風がたち始める。ハナさんの命にまつわる親族たちの思惑、偶然知り合った若い母親による息子の虐待致死疑惑。ふたつの「死」に疑念を持った日高は、意志とは裏腹に、それぞれの人生に関わっていく。そして、「真実」に触れたとき、日高の心に訪れたのは…。ベストセラー『償い』の“ホームレス探偵”が、哀しき人々を取り巻く謎に迫る、感涙のミステリ。
著者等紹介
矢口敦子[ヤグチアツコ]
1953年北海道生まれ。病気のため、小学校五年で通学をやめ、通信教育で大学を卒業する。97年「人形になる」で女流新人賞受賞。2008年『償い』(幻冬舎文庫)が65万部を超えるベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うさうさ
30
過去に自分のせいで妻子を亡くした男は、医師を辞め日雇い労働者としてアパートに暮らしていた。 そこで起きた入院騒動と幼児虐待。 男の人生が動き出したが、中途半端なまま終わってしまったような… 結局最後はどうなったのか消化不良なまま。2017/09/06
taiko
24
『償い』から10年後、日高はハナさんという老齢の女性が管理する離れで暮らしていた。 日雇いで得るわずかな稼ぐぎを元にした慎ましい暮らし。医者だった過去を隠していても、聡明さはそこはかとなく香っていた様子。 ハナさんの周囲でおこる遺産相続問題、偶然知り合った若い親子と姉妹に絡む殺人事件。 日高が動くことで解決へと進んでいく。…償いの続編。日高の思慮深さは健在です。 長く日高を苦しめていた、妻と子への償いの気持ちが報われるような最後に、ホッとしました。 もちろん、救急車、間に合ってますよね? そう願いたい。2015/07/20
カピバラ
20
償いの続編。償いを思い出し考え出しながら、よみました。最後に妻から息子から、義母から「赦し」を得たのかな。一美の事件はひねりがあんまりなかったかな?ハナさんの遺産はどうなったのだろう。色々気になることが残ったままの終わり方。続編を期待させるますな。2012/12/30
まうす
16
う~ん。最後がなんかいまいち。いろいろ解決はしているものの、すっきりしない内容でした。前作の「償い」のほうがよかったな。2011/05/15
らむちん
13
「償い」の10年後という設定。日高さんはホームレスではないけれど日雇い生活。ハナさんを取り巻く真っ黒な面々とアサカ側の汚れていない人々が対照的。そして日高さんは他人事にホントに親身。まさか逝ってしまうんじゃないよね?草薙くんと再開していないのに‥読みやすかったけどやや短絡的と思っちゃった部分もあったかな。2015/01/18