内容説明
超貧乏で苛酷な盆栽師の道を選んでしまった22歳の繭子。近くにいる男子は盆栽に全ての情熱を傾ける変人の兄弟子・松本だけ。そこに現れたのは、お金持ちで大人な高野さん。なぜか見初められ、ピカピカのレディに磨き上げられた繭子は、愛人になることを求められ…。二重生活で嘘を重ねるうちに自分の「本当」を見失い、苦しむ繭子。盆栽師か愛人か、どっちを選ぶべきなのか―。人生の決断にためらうあなたの背中を押してくれる、キュートで泣ける、痛快恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきちん
35
勝手に会社を辞め、親の金を持ち出した22歳の繭子は勘当された。そして弟子入りした盆栽の世界。兄弟子の松本と修業の日々。ある日客として現れた高野に盆栽を家まで届けて欲しいと言われ…うーむ、確かに「盆栽」で「マイフェアレディ」でした。っていうか、愛人もの。ラスト、もうちょい読みたかったかな。2016/12/12
あつひめ
34
盆栽・・・でもしやと思ったけど、やっぱりさいたま市の盆栽町が舞台。恋と愛の違いが優しく説明されている。偶然の出会い・・・まるでシンデレラの舞踏会みたいに華やかな世界にちょっとワクワクするのもわかる気がする。だって・・・女の子だもん!!でも・・・主人公繭子は自分の心に正直に道を選ぶ。登場人物が悪い人がいない作品だなぁと思う。高野さんも心に傷をもつ被害者であるかもしれないし。身近にいる港みたいな心の広い人山崎さんの作品にはそういう人がよく登場する。読後感のよさは登場人物が自分の気持ちを納得しているからかな。。2010/12/02
らむり
32
不器用でマイナス思考な農学部女子という、「さよなら、スナフキン」と同じよ〜な主人公。最後の修羅場がもうちょっとどろどろしてくれれば、もっと良かったかな。2013/12/09
りえこ
29
タイトルから内容は想像つくけれど、とても面白くてすらすら読めました。自分が嘘をついている時の感覚とか、やりたいことと仕事や収入とのバランスとか、身近なことが盛りだくさんでした。盆栽にも興味あるし、金持ちと貧乏たけど夢を追いかける男、どちらにも惹かれる気持ちもわかります。2013/12/16
赤い肉球
21
山崎さん、どこにでも居るような女の子(それも平均点以下の)を主人公にする作品が上手い。主人公に親近感を持ってしまう。でもこれは、そんなにうまくいくかぁ…と疑問符ばかりだった。でも結局は、収まるとこに収まったってエンディング。その決断に拍手。だって別の道を選んだら、将来が見えないもん、恐いもん。いつポイってされるか分からないし。見栄えだけ良ければ良いのかな?そんなことに金を使わせる男はどうなんだ?って思いながら読んでたので、読後感はスッキリでした。盆栽のミニ知識も得られたし、読んで良かったです。2017/07/22
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