内容説明
1930年半ば、ホノルル。フラ・マンと呼ばれた天才トランペッターのケオは、ホノルルのダンスホールで美しい黒髪のサニーと出会う。朝鮮人の父とハワイ人の母を持つ激しい気性のサニーだったが、身も心も音楽に取り憑かれたケオとのあいだに愛を深めていく。樹々と花の甘い香りと紺碧の海にかこまれ幸せな時間が流れる。だが、母親を虐待し続ける父への反発を抱えたサニーと、燃え盛るジャズへの思いを抱えたケオの魂はしだいに故郷ホノルルを離れ、未知の世界を目指す。ニューオリンズに一人辿り着いたケオ、そして二人が再会した戦時下のパリ。姉を探しに上海に旅立ったサニー、それを追うケオ。真珠湾攻撃の一報が惨劇の始まりだった…。
著者等紹介
ダヴェンポート,キアナ[ダヴェンポート,キアナ][Davenport,Kiana]
ホノルルの貧しい下町カリヒ地区に生まれる。パイナップルの缶詰工場、コーヒー農園、貸馬屋の下働き、ファッション・モデルなどで生計を立てながら作家を志し、1994年の長編“Shark Dialogues”で一気にブレイク
冬川亘[フユカワワタル]
1948年、熊本県生まれ。訳書『カエアンの聖衣』で星雲賞、短篇小説「紅栗」で新潮新人賞を受賞。SFを中心に訳書多数。千葉県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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