内容説明
東堂太郎が他意なく記した「落書き」を事々しく取り上げ、堀江隊長の存在を背後に、上官としての権威を笠に着て糾問にかかる片桐伍長。その延長線上に出現する「転向者」ゆえの歪んだ論理に基づく片桐の陰湿な手法に驚き呆れながらも、ひたすら冷静に反問し、立ち向かう東堂。一方、内務班を揺るがした事件は、各班長たちの進める取り調べにおいて、その犯人としての嫌疑が次第に冬木に集まりつつあることが明らかになる。東堂は、新聞社時代の同僚・杉山からの手紙により、冬木の前歴の正体と、それが彼に暗い影をまとわせ、疑惑を招き寄せているいきさつを知る。しかし、橋本や鉢田たちから聞き取った証言は、“真犯人”の存在を東堂に確信させる…。補充兵教育期間も半ばを過ぎ、大きな転回点の接近を待つ第五巻。
著者等紹介
大西巨人[オオニシキョジン]
小説家、批評家。1919年福岡県生まれ。1949年、『精神の氷点』でデビュー。近年は、インターネット・サイトでの作品公開も行なっている
のぞゑのぶひさ[ノゾエノブヒサ]
漫画家。1949年佐賀県生まれ。三歳の頃、関西へ移り、以後ほとんどの期間を京都で育つ。大阪で色々な職種、職業を経験。その後、体を壊し、「自分に出来る仕事は絵を描くことしか残っていない」と決心。東京で一人、投稿生活を始める。四年目に『木金堂主人』でデビュー
岩田和博[イワタカズヒロ]
演出家、プロデューサー。1947年京都府生まれ。大学卒業後、サラリーマンとなるが、続かず三ヵ月で独立。その後、ファッション・ショー演出家として実績を重ね、現在では、地元・京都での数々の記念行事・催事をはじめ、国内外における様々なイベントを手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
今ごろになって『虎に翼』を観ているおじさん・寺
FK
小川一輝
絵具巻
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