内容説明
まだ生まれる前、母のおなかの中で聞いた“ぶらんでぃっしゅ”という謎のコトバは、誕生後もずっと「ぼく」の人生を支配し続けていた。特別な人との出会いや別れをも予感してしまう、不思議な能力に目覚める「ぼく」。何度も姿を見せる、死神のようなライダーはいったい何者なのか?1500を超す候補から選び抜かれた108の名作“ぶらんでぃっしゅ”によるトーナメントは、コトバのマスターたちの競演で、興奮の頂点へ!そして、クライマックス。連続強盗殺人犯“ブラン・ディッシャー”の銃口が「ぼく」に向けられる―。この姿を見るのは、これが最後だ。
著者等紹介
清涼院流水[セイリョウインリュウスイ]
1974年8月9日、兵庫県西宮市生まれ。1996年、『コズミック』(講談社刊)で第2回メフィスト賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪紫
8
「ぶらんでぃっしゅ?」謎のコトバに支配された常盤ナイトの人生物語。コトバ遊びに彩られた中で(野村證券とか良く思い付けたな)、読み終えると不思議と感動してしまう(あとがき効果もあるかな?)。森さん達も加わるとは、なんて豪華な・・・。全部読んで著者近影を見るとニヤリとしてしまう(この息子さん、今は中学生か)。2019/05/12
サト
5
「ぶらんでいっしゅ?」という言葉にまつわる言葉遊びに徹底した本。ただの言葉遊び? いいえ、文SHOWです。行がページを跨がず、列も揃っている流水大説の中でも特に面白い。こじつけな言葉遊びにドン引きすることもあれば、笑い転げそうになるのもあったり、微笑ましいものもあったり。胎児から始まった一人の一生を経験できる充実した読後感だった。コズミック・ジョーカー以来個人的にヒットがなかった流水大説の中では間違いなく傑作。ただ、トーナメントのくだりは彩紋家上巻のようで冗長だった。折り返しの著者近影は一見の価値あり2011/05/25
ようよう
3
例によって奇書といっても差し支えないが、その特殊な内容はさておき、自分史として驚くほど素朴なログ。言葉に取り憑かれた彼は幸せなのだろう。ミステリー要素も含め隠れた傑作と思うが、人に薦められるような本ではない、愛嬌本。2024/04/01
ニョンブーチョッパー
3
○2011/08/26
San fairy Ann
3
相変わらず文体はださくて、たとえば楽しい時間が流れた描写として「〜でたのしいときを過ごした」なんてさぶいところがあって、読んでて恥ずかしくなったりもするんだけれども、なんだか気になって読んでしまう流水大説である あのぶらんでぃっしゅトーナメントとかさぶすぎて鳥肌もんだったし でもぶらんでぃっしゅをめぐる遡行は結構新鮮なおどろきがあったし、二重の人格の相互作用とか結構複雑なことやってておもしろかった ネタをアタマに入れた上で(我慢して)もっかい読む。。ことはまぁないか2013/04/30