空白

松本 哲也【著】

幻冬舎（2004/07発売）

• サイズ B6判／ページ数 252p／高さ 20cm
• 商品コード 9784344006485
• NDC分類 767.8
• Cコード C0095

内容説明

僕の記憶には、つらすぎて悲しすぎて、思い出すことのできない「空白」がある。父はヤクザ、母は覚醒剤中毒だった。預けられた祖父母の家は衣食もままならないほど貧しく、いとこから虐待を受けた。同級生からはいじめられ、大人たちからは蔑まれ、非行行為を繰り返した僕は、傷害事件を起こし鑑別所へ送られる。求めても裏切られ、愛しても傷つけられる。「僕の生きる意味はあるのだろうか？」たとえようもない苦しみの中、心の拠りどころになったのは、音楽への情熱と母への想い。その母が死んでしまった今、僕は、この「空白」を埋めるために歌いつづけていかなければならない。壮絶な人生を歩んできたシンガーソングライターによる感動の告白記。

目次

ヤクザの父と覚醒剤中毒の母
母との別れ
ここから逃げないと殺される！
ギターとの出会い
手に入れた三〇〇〇円のギター
ゴミ扱いする大人たち
立派な犯罪少年
堀江先生との出会い
東京への旅立ち
幸せな日々、そして崩壊〔ほか〕

著者等紹介

松本哲也［マツモトテツヤ］
１９７６年岩手県水沢市生まれ。家庭の事情により１２歳まで児童養護施設で過ごす。中学卒業後、単身上京。職を転々としながらストリートで歌い続け、２００２年ＣＤをメジャーリリース。０３年、生母の訃報を機に、それまで足を遠ざけてきた故郷岩手を中心とする単身ライブ活動を開始。この間の軌跡がドキュメンタリー番組として放送される等、地元岩手はもとより全国のメディアからも大きな反響を呼ぶ。０４年８月ニュー・アルバム「記憶」をリリース予定
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[百太]

ＧＷに岩手陸前高田市に震災ボランティアに行ってきました。 その時一緒に行った友人から、この人の話を聞いて読んでみました。 震災年の夏頃、ＣＭｗで印象強かった♪歩きましょう♪の歌の人です。 https://www.youtube.com/watch?v=6ZMA-qsyhHg&fbclid=IwAR0EUGjhJ1dFicyg1F1XHfJWLZgwY5iNgKJcfa2uyE0Omvu0UcG_8zSKnuo

2019/06/16

[ichi]

弟の勧め。話の中に入り込めた。心情がよく書かれていて、私だけじゃあないんだ、辛い思いをしているだ、と思うことができた。

2011/03/20

[あーさー]

幼少期から壮絶な日々を過ごし、「音楽」という救いを得て人生が転換していった松本哲也さんによるＣＤ付きの自伝。当時、たまたま見ていたドキュメント番組で特集されていて存在を知ったのですが、言の葉のひとつひとつが刺さります。

2022/11/14

[太陽の塔]

父はヤクザ母はヤク中毒、幼い頃から劣悪な環境に育ってきた壮絶な半生を描く自伝本。普通の家庭に生まれていればしない苦労をしてきたのは本当に大変だったは思う。ただだからと言って周りに迷惑を掛けたり人を傷つけていい理由にはならない。逮捕や鑑別所にお世話になるような暴力や非行、仕事も次々と辞めて長続きしない、彼女に子供を堕ろさせといて、「今、僕ガンバってます」で終わられても....同じような環境にいる人だって世の中にはいて、その人たちの中には人を傷つけず投げ出さず地道に仕事を全うする人だってたくさんいるはずだから

2014/06/26

[酔いどれおギン]

岩手出身のシンガーソングライターの半生（？）を綴った自叙伝。「ホントかよ」と思わず思ってしまうほど彼の人生には壁が連続して立ちはだかっていた。それらをきれいには超えられないものの、もがいてあがいて必死で生きようとする様は単純にすごいと思った。2009年、映画化。

2008/11/07