内容説明
元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い…武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴んでいく。手に汗握る犯罪小説の最高傑作。
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年愛知生まれ。専修大学文学部卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作「栄光一途」でデビュー。第2作『虚貌』はクライムノベルの傑作として絶賛を浴びた
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
149
早朝から夫が居ないのをいいことに読書に浸る日曜日。一気読みでした。イヤ~怖い恐い!とんでもな作品を読友さんが教えてくれましたよ。裁判官だった夫は何故同居している自分の母親の介護を妻一人にさせるのだろうかとイライラした。そんなに裁判官が偉いのかい?そんなに家長は傍観していて許されるのかい?息子の嫁の第六感はなかなか良かったのに、こうしてバラバラになるまで家庭の再生は出来なかったのね・・人間、何が原因で『火の粉』をもらうか分らない世の中になったって事なのでしょうか?久々の雫井ワールドを堪能しました!。2015/09/27
ゆきち
104
ドラマを観ていて先が気になり読了。役者のイメージが強くて、そのイメージで読み進めてしまった。それはそれで面白かったけどやっぱり観る前に読んだほうがいいですね。先入観なく読みたかったかも。内容も展開も面白かったです。が、すこし内容説明が細かいのでは?2段構成じゃなくすっきりとまとめて1段でも良かったのでは?などと読み飛ばしたくなる衝動を抑えながら読み進めました。ドラマではどのように描くのか楽しみです。2016/04/27
里季
84
サスペンスはほとんどテレビ視聴専門の私ですが、これはとても面白く読めた。介護、育児、家族、夫婦の問題も織り交ぜて身近に感じる。ぐんぐん読ませる。鬼気迫る狂気。ガンバレ若嫁雪見!孫を守るんだ姑尋恵!ああ、そこまで来ているよ!早く、早く、お義父さん!・・・俊郎くん、法曹界に入るなら、もうちょっとしっかりしてよね。2014/05/30
reo
82
昭和の時代、映画解説者で淀川長治さんがいた。彼の口調で感想を「武内慎吾が交際していた夫婦宅で、その夫妻を撲殺し子どもを絞殺したというのが検察側の主張ですね。裁判官の梶間は被告武内に無罪判決を出します。それから数年後、大学教授となった梶間の前に姿をあらわした武内は、隣家に引っ越して来るのですね。果たして偶然でしょうか?それから家庭の崩壊が始まります。怖いですねえ、恐ろしいですねえ。それにしても、俊郎のノー天気ぶりにはイライラさせられますねぇ。それでは次週をご期待お楽しみ下さい。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」2016/11/07
yukision
67
「27000冊ガーデン」の中で出てきた本のひとつ。退官し新居を買った裁判官の隣に,かつて無罪判決を出した元被告人が越してきて,その直後,裁判官家族に小さな亀裂が入りはじめる。彼は本当に無罪だったのか。親切すぎる彼の本当の目的は何なのか。読み始めるとぐいぐい引き込まれ,一気読み。2024/04/06