内容説明
南北朝の争乱で歴史の表舞台に躍り出た赤松円心、播磨山岳部を拠点とした独特の城郭体系、再三の滅亡から奇跡的な再興を遂げた赤松氏の系譜―今なお謎の部分が多い赤松氏の足跡を、一族の興亡の歴史を追いながら、広範な視点から解明していく。
目次
播磨と赤松一族
赤松円心と白旗城
赤松氏と『太平記』
赤松氏と山城・感状山城
『赤松盛衰記』の真実―赤松氏と軍記
赤松満祐と嘉吉の乱
城山城に散る―赤松氏の滅亡
赤松政則の復活
最後の赤松一族―置塩城ものがたり
赤松氏の女たち
赤松氏と冷泉家―戦国大名と文芸
赤松氏の遺したもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
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平成十年開催の播磨学特別講座の講義を収録したもの。郷土史的な講義なので、講師も大学教授、作家、博物館館長、高校教諭と様々で、講義集ということもあり本としての密度は今一つかなという印象もある。だがその一方で、多分荒っぽい印象で描かれる事の多い円心の丹念な閨閥形成とそれにより生まれた赤松氏の「層の厚さ」についてや、京育ちの政則を筆頭に能や和歌にも通じた文人大名としての側面(冷泉為広と義村の交流など)、軍記における赤松氏の扱いについての論考など、様々なアプローチに触れる事が出来るのでそれはそれで結構楽しめます。2015/01/04